たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画のこと/映画感想(新作もしくは比較的新しめの作品)

映画感想/BLUE GIANT

昨年とても評判ながら観逃した<BLUE GIANT>を観た、、、ジャズで世界一のプレイヤーになると決めた18歳の青年が上京してからの1年と半年の青春、、、ジャズに限らず音楽が好きな人には必ず響く一本、音楽の素晴らしさが響くかどうか観客を試す一本、、、 …

映画感想/カードカウンター_The Card Counter

昨年見逃していたポールシュレイダーの<カードカウンター>を観た、、、これは一平ちゃんに観せておきたかったなぁ、、、「目立たぬように、小さく賭けて、小さく儲ける」効率的にギャンブルで勝つ極意、、、 今の生活に満足か?と主人公に訊ねられ青年が答…

映画感想/ショーイングアップ

昨年末の公開時に見逃したライカートの<ショーイングアップ>を観た、、、パーソナル、フレンド、職場、ファミリー、(人々は皆そうなのだが)様々な立場に立って生活している個人の数日間の日常のスケッチ、その日常の中にあるアート、キャット、、、(な…

映画感想/オッペンハイマー

ハワイ真珠湾では日本軍は平和なワイキキの街を狙った訳ではなく、基地を攻撃し8隻の軍艦と主に兵士2400人が犠牲になったが、その復讐/リメンバーパールハーバーが日本本土への大空襲だとしても、主要都市すべてが焼き焦がされ、原爆投下による広島・長崎の…

映画感想/市子

これは良かった、観て良かった、、、ほんとはホラー映画かと思って敬遠していたのだが(ポスター怖いし)、目を覆った指の隙間から見ていたらホラーではなかった(W)、、、年代をバラバラに過去と現在を行ったり来たりしながら次々とあらたな登場人物が現れ…

埋もれがちな傑作/美しき仕事

権威ある「Sight &Sound」史上最高の映画トップテンの7位に選ばれていながら、今まで日本では正式に一般公開がされてこなかった<美しき仕事>を「横浜フランス映画祭2024」での一度きりの上映会に行って観ることが出来た、、、この映画もそうだし、史上最…

映画感想/DUNE_デューン砂の惑星PART2

スターウォーズの新作を待つ感覚で本作に臨んだ、、、ワクワクする、、、 デビッドリンチの<砂の惑星>は酷評されているが、大変イマジネーション豊かであり、そこまで悪く言われることもないと思うのだが、欠けているとしたらテクノロジーだろう、、、誰も…

映画感想/ビニールハウス

公開したばかりだから水を差すつもりはないので伏字にするが、リリコがテレビ(王様のブランチ)で褒めすぎ、ほか新聞等の評が良すぎ、なんとか映画祭で3冠だとか、「半地下はまだマシ」など煽りすぎ、、、始まって15分もしたらだいたいのラストまでの展開が…

映画感想/アメリカンフィクション_American Fiction

こういうのは好きだ、シニカルなものは大好きだ、今回のアカデミー賞のオリジナル脚本賞でオスカーを獲得した作品、脚本賞受賞作品にほぼハズレなし、、、 不適切な発言を繰り返す皮肉屋の主人公、ハラスメント、コンプライアンスなんか糞くらえだ!世の中ダ…

映画感想/こんにちは、母さん

共産党員としては当初「小津はブルジョアっぽい」と毛嫌いしていた山田だが、同じように小津を好きでないだろうと思っていた黒澤明が小津を好きだと知って小津に対する見方を変えた山田、今ではすっかり小津の影響も受けている、というか日本家屋内はこうし…

映画感想/怪物

とても良かった、是枝の作品群でも上位に考える、、、音やショットで効果的な狙いを存分に発揮している、「白線を超えると地獄」、「組体操は一番下が肝心」、管楽器の(不気味な音色)、蛇口からぽたぽたと漏れる水粒、風、「適当でいい」「頑張る」、、、 …

映画感想/落下の解剖学

法廷劇でよく見かける観客を惑わしミスリードに導くようなカットの挿入はなく、観客の感情をコントロールしようとする作為的なSEやBGMの使い方もせず、現実だけを見せていく手法がこの映画の肝、それがこの映画の良さ、 で、 結局ラストはどういうこと?と観…

映画感想/夜明けのすべて

映画において「雨」そして「火」や「風」「雪」なんかもそうだけど、映画が文学に文章に勝るのはそれらの表現だ、、、本作の冒頭の雨、強烈なインパクトで本編に誘う、まさにツカミはOK!なオープニング、このシーンを最初にもって来ようと決めた監督が偉い…

映画感想/コット、はじまりの夏_The Quiet Girl

映画ファンなら、アイルランドを舞台にした映画でタイトルが「The Quiet Girl」と言えばすぐに「The Quiet Man」を想うよね、、、物語の共通点を見つけることはできないが、監督がこのタイトルに決める時、絶対にジョンフォードの名作が頭をよぎったはず、だ…

映画感想/哀れなるものたち_POOR THINGS

この監督は苦手なのだ、<女王様のお気に入り>では終始魚眼レンズのような超広角レンズを動きのあるシーンでさえも使用し、映画史に爪跡を残したいが為に、もしくはただ単に「死ぬまでに観たい映画1001本」にでも選ばれたいが為にまったく意味がないことを…

映画感想/サンセバスチャンへ、ようこそ

巨匠たちは晩年自作で映画への想いを込める作品を作りがちだと言われることが多い、最近でもスピは<フェイブルマンズ>をアキは<枯れ葉>を発表した、同じようにウディアレンも本作で映画に対する敬愛の気持ちを形にした、、、が、たしかに、スピやアキは…

映画感想/雪山の絆

アカデミー賞の「国際長編映画賞」の最有力候補<雪山の絆>を観た ここでちょっと思う <ROMA/ローマ>の時もそうだったが 同国の監督が監督していたとしても NETFLIX制作の映画なら米国映画とちゃう? 今回も米国の金で撮った作品なのに 外国の映画扱いに…

映画感想/水は海に向かって流れる

あまり目立った評判も無い映画だけど、ボクはかなり好きだ<水は海に向かって流れる>、、、多くの人が映画は人それぞれの好みだというけど、それは「フェバリット」ってことで、「良い」映画とも違う、もうひとつ「良い」わけでも「好み」な訳でもないけど…

映画感想/キラーズオブザフラワームーン

リリーグラッドストーンの演技があまりにも良いので「助演賞」枠ではなく、主に「主演賞」で賞レースを席巻しているようだが、ライカートの〈ファーストカウ〉にも先住民役で出ていた彼女、ここでの彼女も上手すぎる、レオとかデニーロは今更いう必要もない…

映画感想/Parfect Days

鑑賞した日の朝のこと、ボクは道端で見つけた小さな植物をすくって持ち帰ってヨーグルトのプラ容器にそれを植えた、、、そしてその夜、ボクと同じことしている人をスクリーンの中に見つけた、、、 タイトルは「パーフェクトワールド」としてもいい、主人公個…

映画感想/冬薔薇(ふゆそうび)

<せかいのおきく>が良かったので、昨年評判だったが未見の阪本順治作品を観てみることにした「ふゆばら」と書いて<冬薔薇/ふゆそうび>、、、本当いい本書くなぁ、この人、脚本もいいが、監督としてもそうだが、人として良い人なんだと思う阪本順二という…

映画感想/ガンパウダーミルクシェイク

公開当時批評家の評価は高くなく、日本では話題にもならなかった本作だが、タラちゃんだけはお気に入りだったようで、その理由だけがボクの鑑賞意欲を湧きたてた、、、まずはタイトルがいい、この手の映画の多くが主人公の名前をそのままタイトルにすること…

映画感想/ザ・ホエール

つまらない舞台劇のような映画、主人公と今そばにいる女性と元妻と娘、より厚みを持たせようとピザ屋の兄ちゃんはいいにしても、新興宗教の青年を持ってきても大した効果は生み出せず、むしろシンプルに主人公と身近な3人の女性だけに登場人物を絞って、たっ…

映画感想/ファーストカウ

その未開の地に初めての牛が到着した頃、白人の男と中国人がそこで再会した、、、 年末のおそらく最後の映画館での映画鑑賞で今年一番の映画に出逢えた、、、<ファーストカウ>ケリーライカートの評判の映画が数年を経てやっと日本公開されたのだ、、、<ウ…

映画感想/グランツーリスモ

「無でありながら、総てがある」 これはスクリーンでこそ観たかった、、、劇場で観逃して後悔、、、 以前テレビを観ていたら、レーサーは普段シュミレーションマシンで練習していた、コースで練習するのは限りがあるけど、シュミレーションなら何時間でも家…

映画感想/せかいのおきく

阪本順治はボクにとって「そこそこ」の監督だった、だけど<魂萌え!>で評価がかわった、良い脚本書く人だなぁと、、、で、今回のこの作品も兎に角シナリオが良いのだ、、、 「この空の涯て、涯てなんかねえよ、それが世界ってものよ」 「この国は何でも後…

チャップリン in 枯れ葉

チャップリン映画のラストシーンを彷彿させるあのラストで 「ところで犬の名前はナニ?」と男が訊ねると 女はすかさず「チャップリン」と答える 観客がチャップリンの映画のようだと思っている 絶妙なタイミングでのセリフ やられたーーー そしてアキの映画…

映画感想/苦い涙

窓で始まり、窓で終わる、しかしそこから外を景色を見ている人物は違う、、、まったくその窓の内側から外に出ずに物語は進行していく、、、 そっかぁ、ハンナシグラがおばあさんになるとこんな感じなんだね、まったく昔の面影はないけど、そこにハンナがいて…

映画感想/ゴジラ-0.1

「深海魚が上がってくるとき、それはゴジラが現れる前触れ」それを言っちゃあいけないのよ、またセリフで説明しちゃっている、、、プロの監督なら沢山映画観て学んでほしい、こういうことじゃモーションピクチャーとは言えないんだよ、何も山崎に限ったこと…

映画感想/波紋

映画の中のメタファーと言わずとも「水」は生命、生命力の象徴、水面に水滴が落ちる時に美しく広がる波紋の光景に調和を感じる、と共に余波を生む、、、ところが少しの気持ちの乱れにより波紋も乱れ周囲をかき乱す、、、数々の「水」の見せ方で押しまくる、…