たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/アメリカンフィクション_American Fiction

 

こういうのは好きだ、シニカルなものは大好きだ、今回のアカデミー賞オリジナル脚本賞でオスカーを獲得した作品、脚本賞受賞作品にほぼハズレなし、、、

 

不適切な発言を繰り返す皮肉屋の主人公、ハラスメント、コンプライアンスなんか糞くらえだ!世の中ダメなことや禁句が多すぎる、人それぞれ考え方も価値観も違うのに全ての人に合わせてなんかいられない!「言葉警察」www

 

あらすじ、、、作品に「黒人らしさが足りない」と評された黒人の小説家モンクが、半ばやけになって書いた冗談のようなステレオタイプな黒人小説がベストセラーとなり、思いがけないかたちで名声を得てしまう姿を通して、出版業界や黒人作家の作品の扱われ方を風刺的に描いたコメディドラマ。(映画.comより)

 

黒人の主人公は「黒人らしく」という風潮に嫌気がさしている、偏見に満ちているが、それが白人の望む黒人像であり、黒人はそうでなくてはいけない、常に被差別人種でなくてはならない、黒人はドラッグのプッシャーで、ラップができて、貧しくて、奴隷で、警官に殺される、、、世の中はいつまで黒人を一括りにしているのだ!主人公の静かなる怒り、、、

 

ストーリーの本筋に絡めて、姉の死、母の痴呆、兄の自堕落、一方で主人公自身が新しい恋人をみつける、そんなエピソードを散りばめる、脚本がいい、、、ベストセラー作家の正体を隠すため自分が嫌うような黒人を演じる主人公の姿がかなり面白い、、、そして最後には意表突くラスト、、、

 

ほとんどの人は気にも留めないかもしれないが、こういうシーンがあった、、、コト(チョメチョメ)を見せずにコトが済んだことを暗示させる演出的処理の仕方が

巧い、そもそもそんな描写はいらないし見たくもないが、主人公と女が深い関係になったことを観客に悟らせるために必要なシーン、こういう処理の仕方の巧さを評価したい、コードジェファーソンという人の初監督作品らしいが、初めての演出にして語りの巧さをみせている、、、

 

音楽もいい、、、多くがJazzyなピアノの曲だが、音の当て方も上手だ、、、ラストは「枯葉」♪をトランペットで、、、

 

アメリカ映画で傘は珍しい、、、メモ

 

P.S.

つい最近イタリア人のおばちゃん(同年代)と食事をしていての会話

オレ「イタリア人ならロッセリーニとデシーカとフェリーニヴィスコンティ、アントニオーニ、パゾリーニベルトルッチは全作品観るべきだ、イタリア映画を語るうえで必須だよ」

伊「で、映画の中でイタリア人をどういう印象で見てるの?」

オレ「そりゃ、ママはふくよかでお尻が大きく、男はみんなナンパー師で、洗濯物は通りを挟んで建物と建物の間にヒモを通して洗濯物を干す」

伊「バカだね、フェリーニの映画だけのイメージじゃん、そんなステレオタイプの偏見に満ちたイメージ、だいたいね、そんな男は今やジローラモしかこの世にはいないよ、あいつはイタリア人の面汚しのバカな男だ」

 

偏見、ステレオタイプ

日本人に置き換えれば

眼鏡かけて、出っ歯で、首からカメラぶら下げている、、、

 

3.5

American Fiction’ review by mya • Letterboxd

『アメリカン・フィクション』に見た「人種差別」の描き方の変化|芦田央(DJ GANDHI)