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映画感想/落下の解剖学

落下の解剖学 | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品 ...

 

法廷劇でよく見かける観客を惑わしミスリードに導くようなカットの挿入はなく、観客の感情をコントロールしようとする作為的なSEやBGMの使い方もせず、現実だけを見せていく手法がこの映画の肝、それがこの映画の良さ、

で、

結局ラストはどういうこと?と観客が戸惑うようだが、主人公は証拠不十分で無罪になったという事実があるだけで、子供の最後の証言が勝訴に有利に働いたかどうかも分からないが、子供の証言はどうやらウソだと言えそうだ、何故なら前述のとおり本作では一貫して事実と確定していることだけを見せてきたのに、最後の最後になって事実かどうか分からない子供と父親との自動車内での会話のシーンをインサートした、事実しか見せない一貫していたものを一転して不確かなものを見せる時それは映画のウソを意味する(と思う)、子供はたとえ嘘をついても母親を有罪にしないという強い意志を最後に示した、、、、事故でも自殺でも他殺でもどうでもいいのがこの映画、これは家族の映画、子供の葛藤の映画、子供の決断の映画だからだ、ミステリーファンには申し訳ないがそういう映画なのだ、、、、(空白部分をスクロールでなぞるとネタバレします)

 

問題となった大音量の音楽と子供の奏でるピアノ以外音楽は(BGMも含めて)一切ない、SEやBGMは映画にとって重要な要素だが、それを省くことによって観客に委ねる決意を感じる、事実だけを羅列していき観客に任せる覚悟(音楽によって観客を導かない意思)、、、

 

ザンドラヒュラーが素晴らしい質の高い演技を見せている、オスカー予想ではリリーかエマかと思ったが、演技の質の高さだけで比べればこの主人公を演じたザンドラが二人を超えて抜きんでている、ただしオスカーのことだから一見体を張って派手な演技を見せたエマに目を奪われたり、人種の問題もあって今の風潮から受賞しやすいリリーに票は集まってしまうだろうが、アカデミー会員に確かな眼があればザンドラに票を入れるべきだろう、、、

 

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