映画のこと/食は映画なり
雪山で遭難した人々のサバイバル映画 その中でどうしても 生きるために人肉を食べるか否かの問題にぶち当たる その代表的な映画が市川崑の<野火>なわけだが 救助された現場を映したメディアの画像に 食った人肉の骨の残骸が残っているのを見つけて 人々は…
渡辺淳一もよく書いていたけど 食欲と性欲は一致するのは正しいと確信している 食に意欲がない人は 性に対しても貪欲ではない、、、 エイドリアンラインの未見の作品なので、今更であっても観ることにした、、、観るまでは<ラストタンゴインパリ>のような…
沢田研二扮する水上勉と出版社の担当松たか子が四季を通してその土地で採れたものだけで作る精進料理の数々を見せていく、干し柿、お新香、ごはん、ほうれん草のお浸し、山菜の数々、たくあん、味噌、筍、梅、梅干し、芋、漬物、ごま豆腐、おにぎり、ふろふ…
ランキング参加中映画 もはや「今泉映画」としてひとつのブランドさえ確立した人気監督の<ちひろさん>を観た、、、元風俗嬢の主人公は今はお弁当屋さんで働いているが、元風俗嬢であることを隠しもしない、いつもながらの今泉映画の独特の空気感と主人公の…
映画でたびたび出てくるシーン、、、腹をすかす前線の兵士たちに対し、暖かい場所で贅沢に食事をする上層部、、、 もしも戦場にいたら、まずはシャワーを浴びたいと思う、そして眠りたい、でもやはり食事だろう、、、民家からガチョウを盗み久しぶりに美味し…
そもそも鳥籠に小鳥を入れて飼う人の心を疑う、大空を飛ぶ鳥を狭い籠の中に閉じ込め ても何とも思わない神経、あまりにも横暴すぎる、、、ま、この主人公の場合、それは自分と妻に重ねて客観的に見ているのだろうが、、、 テレビの時代劇並にセットがひどい…
クルド人は床に食べ物を置いて手で食べるんだね、最初は戸惑う主人公の恋人、食文化の違い、、、日本のラーメン屋に入る家族は箸の使い方も慣れている、日本の生活が身に付いているんだね、、、ところが「音を立ててソバをすすって食べるのは止めなさい」と…
未亡人と男娼の関係に恋が芽生え始めた頃の食事のシーン 男が魚を料理しテーブルに置き 女がそれを取り分ける 女「魚をフォークで押さえるの、スプーンはギザギザのないもの、そのスプーンを身の下にそっと潜り込ませる、身を骨から引きはがし大きな切り身取…
ひさしぶりに<ジョゼと虎と魚たち>を観た、三度目、、、あいかわらずとても良い映画なのだが、何度観ても共感できないラストは変わらない、なんやねんこれ!、、、最後は言葉で説明、逃げた、イヤな終わり方だ、、、 昭和の感覚、、、障がい者手帳も持たな…
映画の中の「食」って生きること、生き抜く事、辛くても食べていかなくては生きてゆけない、、、人間の活力、生命力、、、 仲間に裏切られ失意のどん底、シンガポールの市場で頼んだかつ丼、、、涙を流しながらかっこむ、、、「不味い」と呟きながら、、、 …
<トムジョーンズの華麗な冒険>の中で トムジョーンズが 道中で助けた女性を宿まで同行する 長旅に疲れた体を癒すのは食事 スープ、ボイルされた蟹、ローストポーク、果実 美味しそうに しかし、むさぼるように 互いを見つ合いめながら食らいつく 映画では…
次つぎと出会う人々 出会う人々の全てのパートで「食」のシーンが盛り込まれている ある時は ドライブインの食堂のチャーハン もしくは車の中で食べる菓子パン どこかの国からきた難民の人々のもてなすエスニック料理 みんなが皆「食べな」と勧める ボクには…
金持ちそうな男女10人が屋敷に集まり、ただただ不気味な肉料理をむさぼるだけの映画、セリフは「NEXT FLOOR」その言葉が繰り返されるだけ、、、 ふつうね「ネクストフロア」って言えば、上の段階に進む感じがしない?ところがね、その言葉が告げら…
生き続けることよりも、酒に溺れて死ぬ最期を選んだ男の話、、、ハリウッドでそこそこ頑張っていた脚本家の主人公はアルコール中毒のため周りから煙たがられる存在になっていた、ところが本人は生活を改めるつもりは毛頭なく、過去の想い出やパスポートも焼…
空腹に耐えかねている 父親と息子二人 のっ原でしゃがみ込み 「何が食べたいか?」と話し込む 息子が「大きな大福」と言った後に父親が 「遠慮せずに何でもいいんだぞ、もっと高いもの言えよ」と すると子供は「親子丼」と言い 食べる真似を始める 父親はと…
大阪物語>井原西鶴>溝口健二>依田義賢>吉村公三郎 当初は溝口健二監督作品として企画され、二代目中村鴈治郎、三益愛子主演でクランクインした人情悲喜劇。溝口が三益に「ちょっと病院に行ってくる」と告げて病院に行くと白血病だとわかり、急遽入院し、…
韓国の犬食は 多くの人々に知られるところだ しかし ソウルオリンピックを契機に 「キーセン」と「犬食」は人目の付くところから消えた その後 そういった事実さえなかったかのように封印して 韓国の歴史から消し去ろうとの動きもあるようだが 歴史を書き換…
<揺れる大地>は食べていくことの大変さを描いた ヴィスコンティ初期のネオレアリズモの傑作だ 人って 景気がいいとき、豊かで不安のない時は よく笑い、笑顔が絶えない しかし シチリア島で漁師を営む者は 仲買人に買い叩かれ非常に貧しい生活を強いられる…
食事のシーンで 登場人物の人柄や生い立ちを表現するのが 映画でよく使われる手法だよね、表現方法だよね この映画の主人公の男は 女が用意したフィッシュ&チップスを食べるのが初めてで ナイフとフォークがないと戸惑っている すると 女は指先でそれを摘ま…
食は映画なり! 食事のシーンはSEXのメタファーとよく言われる 渡辺淳一もそのようなことを語っていた 食事に貪りつく、食べることに夢中になっているのは 歯止めの効かない性欲をイメージする この映画でも 非常に多くの食事のシーンが登場する ラーメン屋 …
映画の中では たびたび食事のシーンが登場する 食事は人間にとっても もっとも重要な行為のひとつだからだ そして 空腹や飢餓のシーンも登場する チャップリンは<黄金狂時代>の中で 空腹に耐えかね幻を見るようになり とうとう自分の靴を食べ始める <パピ…
昔々のこと 取引先の会長さんは ニューギニア戦地から生きて帰った数少ない兵隊だった いろいろと戦地でのことを訊ね そして訊くのが大変興味深かった 「ハンパでないよ、疲労なんてもんでないんだよ、とりあえずその日の目的地に辿り着けばほとんどの人間が…
「欲求に理由を求めるのはバカげている」 男でもスカートが履きたければ履く 「なんで履きたいの?」と問われても 気持ちや感情の問題を答えるのは難しい、、、 スカートが履きたい! エアギターの大会でチャンピオンになりたい! バーちゃんの作った餃子が…
こんな些細なことが映画になるんだね それが小津映画の凄さかもしれないね 小津自身は「出来の悪い映画」と言っているが なんか凄いなぁ、やられたなぁと唸った<お茶漬の味> ブルジョア一家の流れをくむ妻と 長野から上京し出世した素朴な夫の夫婦間の「不…
奥さんと一緒に鑑賞するにはお奨めしない しかし 観終わった後に『奥さんを大切にしよう』という気持ちになる映画 小津安二郎の「早春」 主演の池部良と岸恵子は この作品一度限りの小津作品 1950年代 東京でお好み焼がどれほどポピュラーだったかは知らない…
名匠アンリーの デビュー作であり <恋人たちの食卓><ウエディングバンケット>との 「父親三部作」である<推手> 推手とは 太極拳の基本的な技 相手の力を利用して防御し攻撃にも転じる アンリーは 映画の語り口が巧いんだよね デビュー作で これほどの…
夏から始まったシリーズも 春で終わる 物語らしい物語もないので どの季節から観始めても さほど問題がない 一点 母と娘との関係が物語の中心にあるようだが これも観客には詳しく知らされないので あまり気にせず観たほうがよい とにかく 目に優しく 目に美…
目に美味しい映画 リトルフォレスト (冬) 物語は ほぼ ない 村の人たちとの交流 母との別れ 過去の町での生活 これだけ それなのに ずっと観てられるのは 美味しいビジュアルが 次々と現れるから そして すべて 自給自足の生活が 興味深いから 納豆さえも …
ガキの頃観た時は つまらなく退屈で眠気に襲われた映画<Keiko>を 40年ぶりに鑑賞してみた、、、 物語の場所は京都 一人の女性が閑散とした映画館で独り映画を観ている場面から始まる、すると男が寄ってきて女の隣に座る、そ、痴漢なんだね、、、、イヤな思…
まさしく 「食は映画なり」な映画 食を 前面に押しだした映画 しかも ほとんど自給自足で揃えた食材で 手間をかけて作ったものばかり ボクも昔 自分でウスターソースを 作りたいと考えたことがあったが 実際に作ってしまうとは、驚いた 主人公の女性は 町中…