巨匠たちは晩年自作で映画への想いを込める作品を作りがちだと言われることが多い、最近でもスピは<フェイブルマンズ>をアキは<枯れ葉>を発表した、同じようにウディアレンも本作で映画に対する敬愛の気持ちを形にした、、、が、たしかに、スピやアキはそうかもしれないが、そもそもウディアレンは大昔からほとんどの作品で過去の他監督の作品をモチーフにし、もしくは多大な影響を受けて撮ってきた、とくにフェリーニでありベルイマンがそうだ、、、アレンはパクリ王と言ってもいいほどで、だから今回に始まったことではないのだが、その集大成的な意味合いも込めて本作は作られている、、、
妻の浮気を疑い妻の仕事に同行した夫がサンセバスチャンの現地で知り合った女性に恋をする物語、ときどき夢や妄想のシーンが挿入されるがそれらは映画史に残る名作映画の数々のパロディ、市民ケーン、突然炎のごとく、8・1/2、勝手にしやがれ、野いちご、男と女、仮面ペルソナ、第七封印、皆殺しの天使、、、一緒に鑑賞した妻はそれらの夢のシーンにキョトンとしていたので「映画のパロディだよ」と伝えると「え、<突然炎のごとく>と<男と女>は見ているんだけどそんな感じあった?」自転車のシーン、車のシーンがそれだと指摘すると「ふーん」と無関心、それがどうした?といった反応、それを知っているかどうかで人によって反応がハッキリと違い、楽しめるか楽しめないかの分岐点になるかもしれない、、、
「ユウゾウカヤマ」「タツヤナカダイ」
そういえば<アニーホール>か<マンハッタン>では<忠臣蔵>を上映している映画館から演者たちが出て来るシーンがあったっけ、アレンは稲垣の<忠臣蔵>が好きなんだなぁ、実はこの映画の中に登場したタイトルの中でボクが唯一鑑賞していないのが<忠臣蔵>だ、すぐにでも観よっと、、、
階段の踊り場のシーンが<ミッドナイトインパリス>のようなライティングで美しかった、、、また、主人公と彼が恋した女医がテラスのあるお店でグラスを傾けるシーンも良かった、、、
「アルコールは体に良くないが、(傷つき弱った)心には効く」女医のセリフ
3.5点