映画において「雨」そして「火」や「風」「雪」なんかもそうだけど、映画が文学に文章に勝るのはそれらの表現だ、、、本作の冒頭の雨、強烈なインパクトで本編に誘う、まさにツカミはOK!なオープニング、このシーンを最初にもって来ようと決めた監督が偉い、、、
パニック障害を抱える男性とPMSを抱える女性の出会いと別れ、おそらく原作の前半部分を主人公の一人語りと共に最初の10分で済ませてしまい、その5年後を中心に物語は語られる、、、ところどころにも省略すべきシーンは大胆に省略して語りが巧い、たとえば男の恋人がロンドンに転勤になったと伝えに来たシーン、「外で話そう」「うん、いいよ」とカットが切り替わるが、話すシーンは省略し次のシーンに進んでいる、そのまま外で話すシーンを見せても既に観客が想像する以上のやりとりはないから見せる必要はないのだ、、、
しかしそれにしても、前作の大成功でバジェットも与えられたであろう三宅唱は何故に16mmにこだわるのか、そればかりを考えながら観ていた、、、すると思うのが、普段見ている映画って明るすぎはしないか?(ライティングのこと)実際のアパートの部屋の明るさってこの映画のような明るさではないかなどと考える、いい照明いい撮影で活かされる16mm、監督は単に16mmのフィルムの風合いが好きなのだねと結論付ける、、、そして、主人公が親友と向かいあう鏡のシーンが印象的、、、大絶賛を浴びている本作だが、あくまでもさらっと、ときにユーモアも交えて描かれ、ハートフルとも違うが優しさに包まれた、あ、また、日本映画に素敵な映画が一本生まれたなぁと、、、
4点 雨、雨、雨、自転車、自転車、散髪、カセットテープ、プラネタリウム、、、
他人に触れるもっとも近くそして自然な距離感、、、
逆に男が女の部屋を訪ねる時も男は普段あまり着ない作業着だった、それがいい、、、
ふつうは「あなた彼とどういう関係なの?」とかちょっともめそうだけど、そういう男女の関係を超越したとこもこの映画のポイントで上白石のキャラに説得力があった
<スペースカウボーイ><アポロ13>、、、フフフ
夜明けを一緒に迎えようとかするシーンがなくて本当良かった、それやったら監督として凡人だからね、、、
また新しい生活をスタートさせたときの表情がいい、、、夜は明ける、そしてまた夜が来るけど、その夜の暗さも必要なこと、、、