たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

食は映画なり/早春

奥さんと一緒に鑑賞するにはお奨めしない
しかし
観終わった後に『奥さんを大切にしよう』という気持ちになる映画
小津安二郎の「早春」
 
主演の池部良岸恵子
この作品一度限りの小津作品
 
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1950年代
東京でお好み焼がどれほどポピュラーだったかは知らないが
個室のあるお好み焼き屋で
奥さんがいる池部良岸恵子が逢びきする
 
ペッタンコに潰して焼いているのが
いかにもお好み焼後進国の東京らしい
 
岸恵子が男に酒をすすめ
自分も一気呑み
 
「ねぇ」と言って
男の隣に進みしな垂れかかる積極的な岸恵子
男はあっさり受け入れ口づけを交わす
扇風機、呼び鈴、口紅
このお好み焼き屋での岸恵子の誘惑のシーンがいい
 
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そして
男は初めての朝帰り
そそくさと先に部屋を出て帰っていく池部良
廊下を足早にいく男の背中
 
一方
鏡台の前でほほ笑む岸恵子
口紅をひく
まるでファムファタールの雰囲気
こんな岸恵子は儲けもの、、、
 
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よく、うまく書かれた脚本そして演出
 
電車で始まり、汽車で終わる
 
電車は都会のイメージだね
大勢の人がホームにあふれている
東京駅という一つの駅だけで毎日43万人が乗り降りしている
 
一方
ラストは転勤となった池部良
田舎町では貨車両を引っ張り煙を吐く汽車
せまい田舎だけど何にもないけど
池部良と淡路千景の夫婦二人の新しい門出には相応しい
きっと転勤の2、3年の間に二人の信頼関係も修復されていると予感させる
夫婦の危機と再生の物語
 
小津の映画には
とにかく食事のシーン(飲み屋のシーンも)が多い
この作品では他にも、うどん、すき焼き、中華まんじゅう、などなど、、、
 
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