<揺れる大地>は食べていくことの大変さを描いた
ヴィスコンティ初期のネオレアリズモの傑作だ
人って
景気がいいとき、豊かで不安のない時は
よく笑い、笑顔が絶えない
しかし
シチリア島で漁師を営む者は
仲買人に買い叩かれ非常に貧しい生活を強いられる
主人公の一家も
イワシとパンと赤ワイン1杯が日々の糧だ
働いて働いて、毎日これだけを得るために必死に働いている
一方仲買人の一家は
ナイフとフォークで肉をたらふく食べている
主人公の一家も
仲買人から独立してから豊漁で大量のイワシをとり
イワシの塩漬けを30樽漬けている時には
「これでひと財産できる」と、みんな笑顔だった
その後、嵐で船を失い、職を失い、食を失い
一家が食べることに苦労しても
憎しみやプライドや意地が邪魔して
仲買人に頭を下げて働かせてもらうようなことはしない
何も悪いことをしてない
むしろ皆のために、搾取されている皆のために立ち上がったのに、、、
それでも
とうとう飢え死にしそうになると
仲買人に頭を下げて漁師に戻る
仲買人たちは大笑いで主人公を迎える
主人公の完全なる敗北
しかし、食べなければ生きていけない
生きるのは厳しいが
生きていれば、また道は開けるかもしれない
主人公は再び過酷な漁に出る、、、