たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

食は映画なり/推手

名匠アンリーの
デビュー作であり
<恋人たちの食卓><ウエディングバンケット>との
「父親三部作」である<推手>

推手とは
太極拳の基本的な技
相手の力を利用して防御し攻撃にも転じる

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アンリーは
映画の語り口が巧いんだよね

デビュー作で
これほどの語りが巧いのには感心する

その後
アジア人で唯一
アカデミー監督賞を
2度受賞することになるのも頷ける

アンリーの映画のいくつかの特徴の一つは
「無理解」「不寛容」だよね

米国で成功を収め、白人女性と結婚し、子供をもうけ、家も手に入れた息子が、台湾から父親を呼ぶんだよね、ところが英語を覚えようとしない父親と嫁はコミュニケーションがうまくいかず、理解し合えない、息子の取り寄せた台湾のテレビ番組のビデオテープを観て過ごしても物足りない、唯一の気休めは中国人コミュニティで得意の太極拳を大勢の生徒たちに教えること、そして、そのコミュニティセンターで料理の先生をしている同年代の女性と知り合うのだが、、、

中国人は世界の何処にでもいるね
戦場にも戦線にも中華料理を届ける中国人が必ずいるとも言うね(W)

そのくらい何処にでもいて
中国語以外の言葉を話せなくても暮らせる程
中国人コミュニティが必ずある
だから中国人は心配なく世界の何処へでも行け暮らせる

ところが
中国人以外の人種との摩擦は起きやすいね

どうしても
世界の何処に行っても
チャイニーズスタイルで済ませてしまうからね
軋轢を生みやすいんだよね
譲り合うととか
相手に合わせるとかが苦手なのだね

郷に入れば、郷に従うもんか!

相手の力を利用してスルリスルリと
相手をかわす太極拳の達人のおじいさんでも
異文化との相性は良くないね
「無理解」「不寛容」が生まれるわけだね、、、

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アンリーのもうひとつの特徴
それは「食」

自作では
かならず「食」のシーンが描かれる

その「食」の行きつくところが
しまいには<ライフオブパイ>になってしまうわけだよね(WWW)
人間の生きるための最後に残された本能、、、

本作でも
たびたび「食」のシーンが
ふんだんに登場するから楽しい

白人の嫁の作る料理が口にあわず
おじいさんは自分の食事は自分で料理している
もちろん中華料理

それに比べると
白人の女性が食べる「食」は貧相だね
シリアルや果物、ポテト

やはり中国人の「食」の方が
エネルギーを感じるんだよね

また
主人公おじいさんの友人女性が作る
小籠包などの料理シーンの
手元の動きを眺めているだけでも楽しくなるね
こういうシズルのカットもアンリーの見せ場のひとつだね

料理好きな人にも推す手、いや、推す一本だ、、、

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