たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/の・ようなもの

の・ようなもの

数年前に亡くなられた
森田芳光監督の劇場用映画デビュー作

森田監督は
学生映画、自主制作映画の世界では
<ライブIN茅ヶ崎>の監督として
非常に有名だった

この映画の公開当時
彼の監督作が
プロの世界で通用するのかどうかを
非常に注目して観た記憶がある


昔は何度も繰り返し観た
もう30年ぐらい
再観してないけど
印象深い作品として
ずっと心に留まっている
森田作品で最も好きだ

クライマックスは
終電がなくなった町を
主人公が
早朝にかけて
浅草まで歩くシークエンス

歩く、歩く、歩く
テンポよく

歩きながら
テンポよく落語のように
ポンポンポンと言葉を発する主人公

心が洗われるような
気分の良いシーンだ

日本映画の名シーンであり
ボクらの(自主製作映画)ヒーロー森田芳光
いよいよ日本映画界に新風を巻き込む
そんな予感を感じた

そして
次回作が
あの<家族ゲーム>となり
映画界の風雲児となり

その後の彼の
一作一作が
日本映画界の話題をさらうことになる


亡くなる数年前
日本アカデミー賞の授賞式の舞台で
司会者に
「ベテランの森田芳光監督」と呼ばれていたのを見て

ぇ、

あの<の・ようなもの>を撮った監督が
「ベテラン」と呼ばれている姿が
とても不思議だった

いつでも
若々しく
新しい感覚で
センスのある監督だったから
「ベテラン」という称号は
むしろ違和感を感じたのだ