<しとやかな獣>
川島雄三の
有名な立派な名作
だが
一般的には
<太陽幕末傳>に陰に
埋もれている
しかし
時代劇や戦中戦前の作品を除く
現代劇では
もっとも優れた邦画ではないだろうか
4、5回目の鑑賞だったが
何度観ても面白い
やっぱりスゴイ
こんな映画はめったにない
手が込んでいる
キャメラはなかなか外へは出ない
この狭い部屋の中で
100通りもの撮り方
(実際に数えてはいない)
デフォルメした背景
力がある
面白い発見の数々
撮影だけではない
いろいろなことやる
演出
舞台のようだという人もいるだろうが
むしろ舞台の限界を
この映画で悟らされる
舞台劇とは違う
映画の凄さ
微妙にセットが変わる遊びがあったり
俯瞰、煽り、椅子の脚の間から
縦横無尽に
自由自在に
キャメラは対象を捉える
R&Rに代って
神道音楽が使われる
原始への回帰に
なぞられている
今村昌平に引き継がれる
重喜劇
こういう作品を撮るとしたら
その後の誰か監督に
置き換えるなら
森田芳光ぐらいしか
思い当らない