たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/二十四の瞳その2

この映画をきちんと観ると
または観返すと
語り尽くせない程ほど
印象的なシーンが多く

大監督と呼ばれる所以が
この映画で理解できるのだ

大監督の「腕」をいくつか
例を挙げてみる

-1-

まずは誰でも好きになるであろう
子供達が遠くの先生の家を訪ねるエピソード
安っぽく言えば「まるでスタンバイミーだ」

子供達のロードムービー
「スタンバイミー的」と言った言葉で使われるが
私はあまり<スタンバイミー>に興奮しない

この映画こそそれであり
むしろその手の類は「二十四の瞳的」と言って欲しい

そして
監督の腕の見せどころ

まだ小さい子供達にとっては長い道のりだ
最初のうちは七つの子♪を歌いながら歩く
歩く歩く、そして歩く子供達
先生に会いたい一心だ

ところがだんだん疲れてくる
足も痛くなってくる
腹が減ったとグズって泣き出す子供が出てくる

一人が泣き出すと
伝染するように
つられて他の子供たちも泣き出す
最初から無謀な冒険だったのだ
しかし子供たちは気持ちを優先するから仕方ない

そこに先生を乗せたバスが子供達の背後から近づいて
やっと出会えるまでのシーンのカット割りは秀逸だ

まずは観客が先生を乗せたバスの登場に気づき
そして先生が子供たちに気づくが
子供達はまだ先生に気づかない

子供達を追い越して
そのまま行ってしまうのではないかというくらい
ずいぶん通り過ぎてからバスが止まる
それを子供達の背後から捉える

観客は『良かったバスが止まった』と安心する
ちょっとしたスリルとサスペンスだ
『これを逃したら、子供たちはどうなってしまうのか』という
観客をも安心させる

そしてやっと子供達が気が付く
先生がバスから下りてくる
子供達がいっせいに坂を駆け上がり
先生を囲む

緊張や不安から開放されて子供達が
泣き出すのはごく自然だ

そのあとの安堵の子供たち
象徴的な写真が撮られるシーンへ


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