たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/万引き家族

素晴しい作品だった

イメージ 2

ボクはやっぱり<誰も知らない>が一番好きだなぁ
と、再確認することとなった、、、

<誰も知らない>は
「ネグレクト」にフォーカスして
その子供たちの姿を克明に描写した

今回そもそもは
死んだ親の年金をもらい続けていた家族の話が
最初の構想だったようだが
監督の中で物語がどんどんと膨らんでいったようだ

年金詐欺
貧困
子供の車内放置
子供への虐待
家族のそれぞれの事情と関係性

色々な要素が詰め込まれ
よく言えば「まとめられた」
悪く言えば「詰め込みすぎ」のようにも感じる、、、

雨、雪、そして花火を映さない花火シーン
巧みなキャメラワークと的確な構図

安藤サクラの名演技
これは誰もが認めるだろう

ケイトブランシェットは言った
「次に私が映画の中で同じような泣き方を演じたら、
それは安藤サクラを真似したということです」
世界の名女優が真似たいと願うほどの演技が出来ていた

観ていない人には分かりづらいが、
次の一連のシークエンスが非常によく出来ていたと思う

柄本明が営む駄菓子屋に貼り紙「忌中」
子供は店が「潰れた」のだと誤解する
それは万引きによって潰れたことを意味すると考える
だから柄本の言葉は「遺言」
そして妹が万引きを自ら働く
遺言に従ってすべてを終わらせる男の子

この一連のシークエンス
説明調にならず、観客に伝える演出の腕、見事、、、

是枝はつくづくブレッソンであり、カサヴェテスである
フェリーニならば<カビリアの夜>が好きだというのがよく分かる

是枝の集大成、
是枝の第一章これにて「終」
<誰も知らない>が第二章だったかもしれない

新たなる是枝監督の出発(たびだち)を
楽しみに待とう、、、

4☺
イメージ 1