ついつい簡単に
「反戦映画」とか「子供の映画」とか
ヒドイのは「お涙頂戴映画」とか言う人たちもいるが
まったくの的ハズレな言葉だ
一度も
反戦映画と思って観たこともないし
たしかに反戦のメッセージはあっても
反戦を前面に押し出していないし
戦争の時代を背景にした物語で
ましてや
子供で泣かせるつもりで監督は狙っていない
そのタイトルを知らない人はいないだろう
そして
観ていない人のイメージは
戦争に関係する話、小豆島、子供たちと先生、悲しい話といったところではないか?
私もそんなイメージだけで
最初はほとんど期待せずに観た記憶がある
そして期待しなかった通り
小豆島ののんびりした風景とともに物語りが始まる
(あとからすればこのノンビリ加減が後に効くのだ)
そして新米教師と12人の子供達の日常の風景が延々と続く
しつこいくらいに遊びのシーン
先生と子供ふれあいのシーン
教室でのシーン
たんたんと進む日々
まだ教師や子供達のキャラクターを把握しきれていないうちには
なんの感情移入も出来ずに映画は私を眠りに導こうとしているかのようだ
後半すっかり映画に引き込まれた頃には
この冒頭の子供達の姿が懐かしく感じさせられたのには驚いた
たいして可愛いとは思わない子供たちだったが
物語が進んでエピソードが積み重なるたび
子供の頃(のシーン)が思い出され
いつの間にか子供達を愛しくなる
こういう映画体験をさせる力こそ
力のある監督の腕なのだろう
大人になると一年が経つのが早くて
毎日毎日どんどん時間に追われていくけど
子供の頃って一日一日が違って
毎日が思い出になるほどの濃い日々だ