映画感想／さかなのこ

見逃がしていたさかなクンの半生を描いた＜さかなのこ＞をやっと観ることができた、、、さかなクンに扮したのは女優ののん、男女の括りではくくれないさかなクンという存在、人間さかなクンを描くのに女性ののんを起用したのは大正解だった、、、以前も書いたことがあるがさかなクンと一日一緒に仕事をしたことのある弊社スタッフに「普段もあんな感じなの？」と訊ねたところ「テレビのあのまんまですよ、演じているという感じがまったくないです、素ですね」ピュアというのかイノセントというのか、ただの天真爛漫な人、たぶん発達障害なんだろうと思う、ただ一つの好きな事には夢中になれる人、、、ただね、作中本人も登場するけど、もしもさかなクンがさかなクンとして世に出なかったら、作中の本人が演じたような近所に出没する変なおじさんでしかなく普通に捕まったりするかもしれない、本編の中ののん演じる主人公は有名にならなかった自分自身と向きあっているのだ、、、

次世代の天皇陛下が、というかその両親が東大に入れることを望んでいるようで、どうやら東大もAO入試を導入する方向のようだ、AO入試には自己推薦なんてのもあり、いったいどうやって選考するのかまったくその選考基準は判らないようになってしまっている、、、さかなくんの頃にもAO入試があればね、こういう人材こそAOで入学させる意義があるのだが、本来のAOの趣旨は今に至っては意味不明なものになってはいないか、大学側が入れたい人を入れるための公然とした裏口入学と言っては言い過ぎかもしれないが当たっている部分もあるのは多くの人が感じているはずだ、、、

部屋の中を移動してベランダに移動すると別の時間になっていてキャメラが再び屋内に戻ると室内の様相が一変しているというワンカットの移動撮影をやっているが、目を凝らして見てみてもカットは割ってない、よく出来ている撮影だが、これ＜雨月物語＞だかなんかの溝口作品で宮川がやっていたやつだよね？＜さかなのこ＞のこのシーンでやる必要性はまったくなかったが、監督の思い入れなんだろうね、必要でなくてもやってみたかったんだろうね、、、

まぁ、そんなことも含めても、とても良い映画でした、、、

4点（昨年公開の日本映画では確実に上位にくる作品）