ときどき臨時で手伝いに来ていたフリーターのM君
『最近見掛けないなぁ』と思っていた
一か月以上も見ていない
すると共通の知人から
「M君死にました、コロナでした」と聞いた
広島から出てきて
東京周辺のカープの試合には必ず応援に行っていた
酒が好きで
飲みに行くとかいうと付いてきて
とくに面白いことをいうわけではないが
何か雰囲気が面白いヤツだった
広島の父親は厳しい人だったそうだ
勘当されて地元を離れ東京に出てきた
やっぱり貧乏だった
コロナ禍になるとうちの仕事もヒマになり
M君に声をかけることも少なくなった
M君はますます貧乏になったことだろう
おそらくアベノマスクもM君には届かなかっただろう
金がないからか用意できないのか
「マスクしろよ」「消毒しろよ」と注意して
マスクと消毒に関することは提供してあげた
ワクチンも打たないし
ちょっと無神経だが
コロナに怯えている様子も微塵もなかった
そういうヤツに限って
コロナにもかからず
図太く生き抜いてしまうのだろうと思っていたが
最後は漫喫で生活していたらしい
具合が悪いと言いだし
漫喫から救急車で病院に運ばれた
その数日後には亡くなった
たしか30才代後半だった
誰も立ち会わず
骨にされ
遺骨は広島の実家に送られたそうだ
両親と妹は
宅配便のような状態で帰ってきた息子を（兄を）受け取った、、、
