たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/恥

 

大傑作!だが、ベルイマンといえばどうしても他に名作が多いので本作はその中で埋もれてしまっているのが残念だ、、、近年この作品の評価が見直されてタイトルを見かける機会が増えたので未見だった本作を鑑賞してみることにした、、、まぁ、やっぱりベルイマンだね、凄いよ、ベルイマンの撮った戦争映画、、、何が凄いって、無駄なショットが最初から最後まで一つもない、全カットが優れている、、、どれほどベルイマンが優れているかということは、優秀な監督は大勢いるけどベルイマンに並ぶ監督はいつまで経っても出てこないことが確固たる証拠だ、、、

 

T2Wなの?どこかの国の内乱?仮想的なもの?なんでもいい、そこらへんは明らかにしなくても戦争は戦争だ、どんな戦争もどこの国の戦争であるかも意味をなさないのだ、、、芸術家の悲劇、政治から離れた場所に身を置いている(孤島暮らしも政治信条も)夫婦の破滅的巻き込まれ型戦争体験、、、扉の向こうのショット、窓枠のショット、枠の内側のショット、さらには「火」まで、まるでタルコフスキーベルイマンが重なった瞬間、、、

 

ベルイマンというと、なかなか重い腰が上がらない人でも、これは絶対に観ておいた方が一本だぞ、、、

 

<ストーリー>
元バイオリにストのヤーンとエーヴァは戦争を避けて街の中心地から離れた小島で静かに暮らしていた。しかし、内戦が激化し、敵軍が島へ浸入してきたことで戦禍を被る。気が付けば両陣営が2人の家に乱入し平和な生活はすっかり破壊されてしまう。凄惨な争いを目の当たりにしたことでヤーンとエーヴァも変わってしまっていた……。(AmazonPrimeより)

 

重要な1シーン1カット、、、面前で妻に触れキスをする男(市長/権力者)を前に何も出来ないヘタレ夫、、、それでいて、立場が優位になると俄然人さえも殺すようになる、、、人としての「恥」とは、、、