東京フィルメックスで上映する
オリヴェイラの約7時間に及ぶ<繻子の靴>を観るために
次男の友人がはるばる広島から深夜バスに乗ってやって来るという
どうやら
この作品の日本での上映はこれで最後になりそうなようで
作品の特徴からしてメディア化もソフト化も実現は難しそうなので
この機会を逃したら一生観ることが出来ないという思いがあり
深夜バスから降りると真っすぐ劇場に向かってくるそうだ、、、
「そっか、じゃ、映画が終わったら、そいつ連れて来いよ、メシでも食いに行こうぜ!」と、次男に伝えると、
「いや、映画が終わったら大急ぎでバスに飛び乗って広島に帰るそうだ」
「ぇ、、、東京滞在9時間ほど、そのほとんどが映画鑑賞のため、、、」
しかも、映画の上映ではトラブルがあり上映開始が遅くなり
彼は最後の10分を観ずにバスに飛び乗ったそうだ、、、 可哀想
しかし、それにしても、
こういう「映画バカ(気取っていえば、シネフィル)」がいるのは嬉しい!
ますますその数を減らしていくであろう映画バカが存在しないと
映画は廃れる
皆が皆、ヒット作しか見ないようになり
名作、傑作について語れる人が少なくなると
映画はいずれ演歌のように廃れるであろう
いつか、映画という言葉さえ死語になり
いずれ「コンテンツ」と呼ばれるだけの日が来るだろう
映画はテレビのドラマや他の映像と同じ存在に成り下がる
現に若い映画バカ人口は少ない
それは過去の作品の上映会に行くたびに感じる
観客は年寄りばかりだからだ
ボクより上の年齢の人たちは
本当によく映画を観ている
とくに70歳以上の人たちは本当に映画に詳しく
その語り具合は的を得ているので
レビューを読んでいても納得できる
ところが
若い子たちはまだまだ鑑賞数が少ないから
映画を語っても
知ったような、もっともらしい言葉を並べるばかりで
底の浅さが露呈している人が多い
(もちろん中には若いのに凄い奴もいる)
(あくまでも、ボクは読み手として、そう感じるのだ)
映画はやはり観る本数だ
たくさん観ると自然に目が肥える
だから
狂ったように観る若い映画バカが必要なのだ、、、