吉村公三郎の<暴力>
戦後
大阪、新世界、、、
いくら戦後の荒れた世でも
こんな町は日本中どこにもない
最低の生活
最低の価格
1日50円あれば腹が満たされ
この町では
安くて美味しいものしか売れない
高くては売れない
(以上、劇中のセリフ)
それでも乞食が
腹をすかしてうろつく
パンすけ、ルンペン、ポン引き、ヤクザ、乞食
食は映画なり、、、
映画は冒頭、女が汽車に身投げするシーンから始まる、女は田舎から売られてきた淫売、、、東京から大阪に流れてきた若者(チンピラ)2人に女が声をかけ誘う、、、女が二人を連れてきた宿では、別の女が男たちにあてがわれると、「話が違う」と食って掛かる若者、、、裏からヤクザが現れ、若者たちは金を巻き上げられ表に投げられる、、、数日後、同じ戎橋の上で女を見つけた若者は、容赦なく女を殴る、、、殴られて蹴られてもたじろがない女は二人のチンピラと一晩明かしてはしご酒、、、そんな女の前に乞食が現れる、乞食は女の父親、、、女と妹と母親は父親ではなく母親の情夫と暮らしやくざ稼業、、、しかし、その情夫、娘たちを贔屓筋に売ろうとするような男、、、とうとう女の辛抱も切れて、、、
妹は盲目
そんな妹を映画館に連れていくシーンが良い
もちろんスクリーンが見えないから
隣で女が説明するんだね
これはまさしく
日本のネオレアリズモ、、、
この映画には狂言回し的な存在で浮浪者が登場するが
そいつがビッコの犬をいつも連れている(画像なし)