目茶苦茶に面白いのに
ほとんど語られることなく埋もれている
<ショックプルーフ>
殺人の罪で刑務所に入っていた女が仮出所し保護司の事務所に向かうシーンから物語は始まる、保護司は彼女の仕事や住まいを用意する一方、「悪い友人」とは縁を切るよう助言するが、すぐに以前の情夫が女を訪ねてくる。その情夫こそ女が身代わりになって罪をかぶった男で闇カジノに関係するヤクザな男、それでも女は「私を待っていてくれた」と喜び、男と以前の関係に戻る。しばらくしてカジノに手入れが入り仮釈放中の女が情婦と共に捕まる。保護司は情夫と縁を切るよう女を自宅に住まわせ家事をやらせる。同じ屋根の下に暮らすうち保護司は女を愛するようになり彼女に求婚する。女は幸福な結婚を望む一方情婦と縁が切れないでいたが、とうとう情夫に銃口を向け引き金を引き、保護司と共に逃亡する、、、
脚本はサミュエルフラー
B級監督の神様とメロドラマの神様が手を組んだ映画だから
つまらない訳がない
サークだからね
テンポが良いね
全体に演者のセリフ回しも心なしか早く感じる
センテンスの速さは勿論だが
行間がない感じにしゃべらせている
その一方
情感を込める場面では余裕をもってセリフを口にするから
活きてくるんだね
幸福な結婚から一転
逃避行、そして破滅への坂道を転がり落ちる展開に
観客はグイグイひっぱられる
♪
主演女優はパトリシアナイト
ベロニカレイク全盛時代の
レイク似の容姿
ここでもファムファタールは金髪
♪
撮影も
セットが個性的なデザインで
天井や影が活かされ
煽りの画が多用されている
本筋とは関係ないある容疑者役が逃亡を図り
建物4階から吹き抜け部分を落下する場面があるが
スタントもスゴイが
なによりサークがこんなスゴイアクションシーンをとることに驚く
きっと、やってみたかったんだろうなぁ、、、
小津もフィルムノワールを撮っていたように
サークも同じように
やはり優れた監督は何をやらせても巧いなと思いながら、
ラストは
なるほど普段のサークらしいエンディングで〆るあたりがニクイ
ぜったいに観ておくべき埋もれがちな傑作、、、