タイトルは「西瓜」以外に考えられないのだが
原題は「天邊一朵雲」で「空一面の雲」のような意味
東京国際映画祭にて日本初上映時には「浮気雲」と名付けられていた
記録的な暑さで水不足となった台湾のとある街を舞台に、ある女性とAV男優の純愛を描いた作品である。監督の過去の作品である『ふたつの時、ふたりの時間』の続編的な内容となっている。時折、時代曲を用いたミュージカルシーンが挿入される。過激な性描写が多い(日本ではR-18指定となっている)にもかかわらず、その年の台湾での興行成績が第1位であった。日本からAV女優の夜桜すももが参加している。第55回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品、銀熊賞の一つに当たる芸術貢献賞に輝いた。第78回アカデミー賞の外国語映画賞台湾代表作となっている。(Wikiより)
ツァイミンリャンはマレーシア出身の移民でありながら
ホウシャオシェン、エドワードヤンと並び称され
「台湾3大映画監督」と呼ばれているけど
(なんでアンリーは言われないの?)
ホウシャオシェンが小津、溝口を敬愛し
ツァイミンリャンはトリュフォーに傾倒しているだけあって
フェチティッシュでユニークな人だ
おそらく冒頭のエロティックなシーンに
この映画を見た全ての人が口ポッカーンとなることだろう
半分に割った西瓜を全裸の女性の性器の部分に当てて
西瓜を性器に見立てて男性が、、、
まるで真剣に観ていたら
監督から「真面目に見るなよ、ふざけてんだからよお」と言われそう
エロティックなシーンやミュージカルシーンを重ねて
お馬鹿ミュージカルポルノとでも呼びたいカルト映画
しかし
スイカを性器に見立てたシーンのように
それぞれのシーンに込められた描写はシニカルで
社会を鋭い視線で見ている
(どっちが先?)
<嫌われ松子の一生>を
鈴木清純が口を挟んできたら
たぶん、こんな感じの映画になるのかもしれないって感じの作品
干ばつにより、水不足が起こり、スイカが代用品になるが、スイカはあくまでも代用品、本物ではない、、、AVビデオも偽りの性行為であるように、本物、本質について問う、本物の愛は何処にあるのか、、、
突然、筋に関係になく挿入されるミュージカルシーンは
プレヒト効果(異化効果)を狙っているのだろうか?
まったく関係ないショットやシーンを差し入れて
観客に決して感情移入させない
セリフも削ぎ落されていて
長回しも効果的
おバカ映画と思って笑っていると
この映画の本質を見落としかねない
他の大監督2人に比べて日本では知名度が落ちる
ツァイミンリャンの日本では埋もれてしまっている傑作だ、、、
これなんか一つの対象に対して3方向から撮ってるよ