たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/ポエトリー アグネスの詩

釜山映画祭の企画の
アジア映画オールタイムベスト100に
名を連ねていた未見韓国映画<ポエトリー アグネスの詩>を観た

<ベルリン 天使の詩>のようなタイトルだが
そんなチャチャを入れるのはやめておこう

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ミジャは古いアパートで、生活保護を受けながら、娘から預かった中学生の孫チョンウクの面倒を見ている60代の女性。ある日、町内の文化院で偶然に「詩」の講座を受講したことで、詞を書く喜びや歌う喜びを初めて知る。詞の世界に没頭していくミジャだったが、アルツハイマーを発症する。また、チョンウクが同級生を数ヶ月間にわたり輪姦し続け、その女子中学生が自殺したことを知る。関係者たちは事件を公にすることを嫌い、被害者の母親に示談金を支払って、ことを収めようとする。(以上、Wikiより)示談金でコトを収めようとするが、おばあちゃんは貧しいので示談金を用意できない、しかし娘にも相談せず、加害者である当の孫とも向き合って事件について話さず、一人で抱え込み、とうとう金を工面するために、自分がバイトで世話をする非介護人の金持スケベおやじのもとに足を運ぶ、、、

正直良い映画です

孫のいる女性なら尚更でしょうね
そして、きっと詩を書きたくなりますね、、、

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是枝のような作風
というより
タッチが似ている

でも、ね

アジア映画史上の100というには
「韓国贔屓」「過大評価」と言わざるを得ない

それなら何故
この映画が入って
<誰も知らない>が入らないのか!

それよりそれより
切腹><上意討ち>といった巨匠・小林正樹作品が入らず
この映画が入るのは絶対に認められない!

むしろ同監督の<オアシス>だったなら
また印象は違ったかもしれない

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しかし
他作品と比べなければ
非常に良い作品であることに違いない

まずは
導入部がいい
自然と観客を物語に導く

子供たちが河原で遊んでいる
すると一人の子供が
上流から何かが流れてくるのを見つける
この一連の流れと雰囲気が非常にいいのだ
ツカミはOk!だ

そしてそれは少女の死体で
主人公のオバアさんが通う病院へと運ばれるところで
主人公と交差する
ここのロングテイクもみごと

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この監督は<シークレットサンシャイン>でもそうだったが
建物の「内から外」を意識的に狙っているショットが多い
「内」にいる自分と「外」を意識する自分

そして
かならず宗教が描かれるのも
この監督イチャンドンの特徴
この映画の副題「アグネス」は
被害者少女の洗礼名

そしてラスト
主人公おばあさん自ら綴った「詩」と共に
被害者少女の「死」への導き

おばあさんは
少女が飛び降りた橋から川を覗いたとき
まるで
少女から伝えられたように詩を綴ったように思える

いや絶対にそうだ
天に召された少女がおばあさんに伝え
おばあさんが詩として綴ったのだ
おばあさんは少女を感じたのだ
そうであれば宗教的な結びつきとして成立する、、、

詩を書く時には感覚が大切
詩の先生も「感じたことを書け」と教えていた

ところがボクには
その詩がおばあさんの書いた詩に感じないのだ

たんに可哀想な少女を想って
主人公のおばあさんが書きました
そしてラストで場所を辿り観客に読み聞かす
そんな抒情的なだけなら「並」の映画だからだ

ボクの読みがもしも監督の意図するところなら
この作品は「並」ではなく
一段上に行っている優れた作品と言える、、、

3.5☺
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