たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

食は映画なり/ファントムスレッド

語りつくせないから
別の側面で<ファントムスレッド>
 
とにかく
「食」のシーンが多く登場するね
 
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主人公の男は
タバコを吸わないし
酒も飲まないようだね
 
禁欲的な自分に厳しい側面と
他人にも厳しい一面が
「気難しい人」を超えて恐ろしいほどだね
 
朝食の場面では
昨夜初めて結ばれた女に対して
「トーストに塗るバターの音がうるさい」と言うね
 
一方で
その女と初めて出会った場面では
男がウエイトレスの女の気を引こうと
トースト、バター、クリーム、ベーコン、ハム、ポーチドエッドと次々と注文する
そして「ジャムも欲しい」と、でも「イチゴでないもの」をと、
「それならラズベリーは如何ですか?」と
女が答えて言葉のキャッチボールになり始める
そして最後に「それと、今夜一緒に夕食どう?」と、
 
女が男の気を引こうと
はじめて夕食を作る場面では
男の嫌いなバターでソースを作り
男の嫌いな茹でたアスパラを出す
男は無表情で「おいしいよ」と一言いうが
女は「あなたが本当に気に入ったことにはコメントするはずだ」と指摘する
女は男を試しているんだね
男も試されているのが分かってイラつくんだね
 
そして
映画史上もっとも恐ろしい料理のシーンだね
 
男は女が作る料理を見つめているね
バターが投入される、たっぷりと
そして卵が流されオムレツが作られる
アレ毒キノコが入ったオムレツ
 
男が口にする間が
すごく長いね、そして無音
これがラジオなら放送事故だよ
その緊迫感がハンパないね
 
その女の歪んだ愛/しかし確かな愛を
進んで受け入れるようになったようにも思える男だが、
 
母の毛を
自分のジャケットの胸元に縫い付けているほどの男が
母の亡霊と女を重ねて見るようになったんだね
そして、まるで、それは、
母の亡霊に会うために食べる毒キノコ入りのオムレツ
 
食によって結ばれていく男女の話し
 
そして、本編のラスト
男の発する最後のセリフは「ハングリー」、、、
 
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