たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/拳銃魔

ジョセフHルイス監督は
ヨーロッパでは評価されているようだけど

日本では
最近<ビッグコンボ>が公開されたくらいで
まったくと言ってよいほど
語られない

日本では光の当たらない
まさに埋もれた監督の
埋もれがちな傑作
それが<拳銃魔>GunCrazyだ!

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フィルムノワールというには
感覚的に何かが違う
たしかに白黒の犯罪映画ではあるけど
ボニー&クライドものということもあり
どちらかというと
ニューシネマの匂いがする
自由さを感じる
それはキャメラによるところが大きいと思う

物語は
拳銃の名手の男女二人が恋に落ち
真面目に生きたい男に対して
ファムファタールが「平凡はイヤ、贅沢したい」と
男をそそのかし、銀行強盗に誘い、そして逃避行、、、

制作費が少ないせいか
ふんだんにロケが行われている

そして
どことなく
フランス映画の雰囲気もある

脚本は
ミラードカウフマンの名を借りているが
どうやらトランボだそうだ

だから
ストーリーの展開が巧いね、引き込まれる

そして
何より画が良い、キャメラが良い
撮影監督はラッセルハーラン
赤い河、遊星よりも物体X、アラバマ物語、ハタリ!
リオブラボー、情婦、暴力教室のキャメラマン
素晴しい仕事ぶり

何気ないショットがカッコ良かったり
移動撮影が抜群に良かったり

とくに
山の中を逃げる主人公二人を追う移動撮影がスゴイ
溝口か!宮川か!と、

そして
スクリーンプロセス全盛の当時では珍しい
今では当たり前のことだけど
車内からのショットが良い

たとえば有名な強盗シーン

車が街を走る
どこかに向っているが、銀行の前で止まる
男が降りる、女が待機していると警官が寄ってくる
女が警官に声をかけ気をそらそうとしていると
強盗した男が車に戻ってくる
女が警官を気絶させ、二人は車に飛び乗り逃げる、逃げる、逃げる、、、
これ、カットを割らず一連の長回し、凄くいいね!

そして
車内の狭い空間でもズームUPしたりBackしたり
キャメラが外に出かけたり
変幻自在で自由さがありいい
これがフレンチぽく感じたり
ニューシネマっぽく感じる理由かもしれない

こんな傑作が
語られないのは惜しい、、、

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かっちょいいいい画
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これは観なくちゃダメだよ