たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/暗黒への転落

40年代の洋画って
見逃されていることが多いと思ふ

リアルタイムで観てない日本人が多いからだよね
戦中、戦後だもんね、仕方ないね

この映画にしても
ニコラスレイと言えば
たいがい<理由なき反抗>でしょ
そして<大砂塵>だよね

<大砂塵>もいいけど
ニコラスレイで良いのは
夜の人々>だし<孤独な場所で>だと思うけど
この<暗黒への転落>も凄くいいよ

埋もれているのが勿体ないね
正真正銘、埋もれがちな傑作、、、

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フィルムノワールだね
裁判法廷ものだね

物語は
強盗と警官射殺の容疑者ニック・ロマーノジョン・デレク)の裁判。カーマン刑事(ジョージ・マクレディ)はニックを真犯人を決めつけるが、弁護士アンドリュー・モートンハンフリー・ボガート)は偏見で裁判してはならぬ、と弁論を6年前に戻す…。当時、ニックの父親は無実の罪で傷害罪に問われ、弁護をしたモートンが本腰を入れなかったために、有罪。獄舎で死亡した。折りしも時は戦争勃発で、物価は暴騰、一家はシカゴの貧民窟スキッド・ロウに転落し、2年後にはニックも清純さを失い、不良少年団のボスになっていた。感化院にも送られ、そこから貧民窟に戻ったとき、同様の生い立ちを持つ少女エンマ(アリーン・ロバーツ)と出逢い、心惹かれる。だが、ニックは又もや刑務所送りに。1年後、娑婆に戻った彼は正業に就き、エンマと結婚。だが職工長の屈辱で再び悪事に手を染めるようになり、悲しむエンマは遂に自殺を計り、ニックに死の抗議をした。最愛の妻に最後の別れをしようとするニックに、前科者だからと拒む警官。警官を憎み、世を呪ったニックは、やがて強盗と巡査殺人で捕まった…。「総ての人間はふとしたことで一生を左右する。これは彼だけの罪だろうか?」スキッド・ロウ出身のモートンは、貧民窟調査の仕事をしている妻アデラ(スーザン・ペリー)の励ましで、今回の弁護を買って出たいきさつを語り、法廷は静まりかえった。証人の言明が総て不利にも拘らず、法廷全部がニックの助命を考えていた。だが検事は、エンマの死は確かに自殺だったのかどうか、彼を訊問する。ニックの緊張した神経は激動し、犯行を告白した。判決は死刑。だがニックの顔には、重荷を下ろした満足気な様子がただよっていた。(MovieWalkerより)

いい監督って、省略が巧いよね
今ならイーストウッドとかね

ところが
ニコラスレイは半端ないね

たとえば
主人公が恋人と付き合いました
主人公が捕まりました
弁護士が出所させました

こういう場面を
1カットでみせるだけ
もしくは丸っきし省略
潔よいね

バンバン端折っていく
端折り方が凄いけど
ちゃんと話はつながっている

それと
設定が良いよね

ボギーと女の設定
ボギーの生い立ちの設定
ボギーと主人公の関わり
こういう設定がキチンとしているから
感情移入しやすいんだよね

端折る一方で
入れるべきカットは入れる

たとえば男が家を飛び出した後に
女がオーブンを開けるんだよね
そこに料理が見える
悲しいシーンなんだけど
それだけではなく
そして、このカットは後々予想外な展開につながるんだね

強盗仲間が逃走中に落下するカットがあるけど
その直前に同じようなカットを見せているんだよね
ところが同じようなカットだから観客は落ち着いてみているところ
まったく予想だにしないアクションを見せられるんだよね
モーションピクチャーだね
画と編集による効果

ところどころで
パンフォーカスも活きているよ
有効な使い方を熟知しているね

さすがだねニコラスレイ
B級映画の娯楽監督といわれるけど
一級の腕前のマイスター/マイストロ
熟練の技の職人監督

劇中
いい言葉があったので記録しておく
「みんな非難はしても、責任をもとうとはしない」

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はい、わかるよね?
大サービスカットだよ、ボガートからのプレゼント
粋だね

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