おそらく6度目、7度目(?)くらいの鑑賞<ダーティハリー>、、、観るたび『スゲエなぁ』と感心する、ダーティハリーというとどうしてもスクールバスでの犯人とのバトルが印象的だが、本当は冒頭こそがドンシーゲルの腕の見せどころ、、、ファーストシーン、プールで泳ぐ美女、近くのビルからライフルで美女を狙う男、ここから始まりセリフはほとんどなくカットの積み重ねで見せてゆく、まさにモーションピクチャー!
イーストウッドが登場するが、こいつが何者かどんなキャラなのか観客は全く知らない、男が殺人現場の近所のビルの屋上を歩くところをキャメラは追うようにロングでパンすると、ダーティーハリーの背後にサンフランシスコの全景が映し出される、、、そして、ダイナーでのオヤジとのやり取りの後、銀行強盗にマグナムを向けて仁王立ちの刑事ハリー、ここまで冒頭15分ほどか、ダーティハリーと呼ばれる男のイメージが観客に伝わる、、、ツカミはOK!
70年代の映画は、何度も観返したくなる娯楽性と芸術性と新しい技術的トライに満ち溢れた、才能あふれる若い監督たちとドンシーゲルのような熟練の監督たちの映画的なチャレンジが豊富な作品が多いと思う、、、長く続いたハリウッド方式が崩壊し、ニューシネマを経て自由に作れる空気が漂った時代のお陰であろう、、、