フェリーニの
<そして船は行く>
<そして船は行く>
♪
フェリーニにとって
ニーノロータが亡くなった後
はじめの作品だね
だからかね
本編が流れ出しても
「無音」を通す
nO MuSIC
No sOUND
セピア系のモノクロームの
古ぼけた画が流れる
モノクロは白黒へ色を変え
そしてカラーへ
さぁ船出だ
さぁ映画が始まる
まさに
ツカミはOK!
ツカミはOK!
そして
その後終始
音楽が流れる
有名なクラシック音楽が
次から次へと
ニーノロータがいない今
映画のためのオリジナルの音楽を
拒絶してみせているように
遺体と共に
葬儀のため
彼女の故郷を目指す船
海の上を行く音楽家たち
スタジオながら
わずかな風にさえ注意を払う
丁寧なつくり
セットが美しい
エルモの映写機から
壁に映しだされる
フィルムの影と光と共に
ドビッシーの「月の光」
「音楽史上もっとも美しい曲」と
形容される旋律
セルビア人や
第一次世界大戦の夜明け前を描くのは
フェリーニにしては政治的で珍しいが
サイが登場するね
やはりフェリーニだね
面白いね
ダイナミックだね
そして物語は
再びモノクロとなり幕を迎える
ニーノロータ
そして
全ての音楽人に捧げているような
ほぼ船上に限定された
すべてスタジオ内で撮られた
フェリーしか撮れない作品