『これが最後のチャンスだ、これを逃したら金を回収することはできない』と
考えた
なぜなら
今までで一番まともなプロデューサーに権利が移ったからだ
しかも
つい最近そいつは低予算で作った作品を大ヒットさせていた
金の臭いがする、、、
※「何者」映画と原作は、この本文とは関係ありません。
さっそく調べて
電話をかける
が
「多忙に付き不在だ」と、
毎日電話しても
その繰り返し
ラチがあかないから訪ねることにした
いつも居留守の可能性があるからだ
渋谷区内の
そこそこ立派なビルに事務所が入っていた
すると
会社を訪ねても
受け付けの女は「不在」と言う
「会えるように手配してくださいよ、でなければ、顔見るまで毎日訪ねるよ」と、
そして、翌日再び訪問する
受付の女は、また「不在」という
「そ、それなら今日は顔見るまで待たせてもらうよ」
すると、すぐに部屋に通された
「おいおいおいおい、いるじゃん、逃げちゃダメでしょ」
そのプロデューサーは言い訳もせず
お互い挨拶も無く
すぐに本題に入った
こちらが説明しなくても
ボクが訪ねてきた目的も
今までの経緯も
そのプロデューサーは知っていた
「それで?どーすんの?」
「もうすぐ、次の公開がある、こないだのヒットしたやつの続編だから、今度も間違いなくヒットする、そしたらすぐに払うよ」
「こっちはあんたのギャンブルに付き合ってるわけじゃないんだよ、金もらいに来ただけ、そんなつまんねえ映画ヒットしようがしまいが、知ったこっちゃない、とにかく今すぐ払ってくれ」
「だから、今は払える金がない、3ヵ月待ってくれ」
「いや、待てない!全額払えないなら1万円づつでいい、完済するまで毎日集金にくる、あんた多忙だろうから、受付の女の子に金渡しといてくれ」
「いや、それは、、、」
「それじゃー、また、明日な!いや、オレには会いたくないだろうから、女の子に預けておけばいいんだよ、、、あの子可愛いね、あんたのコレ?」と言って
小指を立てて部屋を出た
ほんとうは中指を立ててやりたかった
帰り際、受付で女の子に
「明日から毎日あなたに会いに来るからね、よろしく!」と言ってその会社を去ると
女の子は不思議そうな顔をしてボクを見送った、、、
すると
翌日の早い時間に会社に電話が入った
昨日の売れっ子プロデューサーさんだ
「金は用意した、全額だ、振り込むから、来なくていい」
「そ、残念だなあ、あの子に会えないのかぁ」
そして金は全額回収できた、、、