ずっと観たかった
成瀬巳喜男の<秋立ちぬ>をやっと観た
あの大滝詠一がこの映画が大好きで
この作品に登場する昭和50年代の銀座、築地、晴海周辺の
全てのシーンの場所を探し求めたそうだ、、、
ちなみに大瀧詠一は
成瀬はもともと松竹の監督だったわけだけど
松竹首脳陣が「松竹に小津は二人いらない」と言って
東宝に成瀬を差し出したわけだが
小津の作風というよりメロドラマの印象が強いのが成瀬だが
この作品においては小津向きな作品であり
成瀬には珍しく子供が主人公となっている、、、
結核で夫を亡くし親戚を頼り上京した
母(乙羽信子)と息子
母は料亭で働きながら
まもなく客と駆け落ちし行方をくらます、、、
一方
息子は東京に馴染めないでいたが
母が働いていた料亭の娘と仲良くなる
貧しい家庭と裕福な家庭の男の子と女の子
女の子の母親は
「お母さんが駆け落ちするような子とは遊んではいけない」と言うものの
自分自身も大阪の金持ちの妾で
料亭も旦那が用意したもの
どの口が言う~といった感じ、、、
身勝手な大人たちから逃げるように
海へと向かう主人公二人
キラキラと輝く波が打ち寄せる海岸を求めて向かう子供たち、、、
そこは晴海
銀座からタクシーで数分
築地から勝鬨橋を渡ればすぐの場所だ
埋め立てが完了した頃の晴海
ここでの二人を捉える数々のショットがいい、、、
今も同じ姿の勝鬨橋
埋め立てられたばかりの頃の晴海
兄妹のような二人
主人公の男が初めて見る海
しかしイメージとちょっと違う
さらに海を求めて進む二人
その先に見つけた海
埋立地の晴海に海岸があったって不思議だね
っていうか佃島のそばでもあるし
さらに昔の昔は海苔も取っていたわけだからね