何度も言ってしつこいけど
原作に忠実な映画化は原作者には喜ばれるが
かならずしも優れた映画とは言えない
監督が原作をなぞることに終始し
アップアップしている感がするからだ
それは映画化というよりも
原作の映像化でしかないし
小説の朗読CDに似たようなものに思える
優れた映画化は監督の演出力が試される
原作を上回るには監督の独創的なアレンジと力量が必要
原作の良さを損なわずに
原作を上回るイメージを創作する映画的な手腕
優れた監督はそれができる
前置きが長くなったが
<真夜中のカーボーイ>は優れた映画化だ
映画の導入部は
原作でいえば半分くらいのところだ
映画は原作の後半半分で成立している
映画で
時折カットバックされたシーンが挿入されているのは
原作の前半部分のシーンである
優れた映画化の見本<真夜中のカーボーイ>であるが
原作こそ素晴らしい小説だ
<真夜中のカーボーイ>をより理解するためには
原作を読むべきだ