たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/関心領域 The Zone of Interest

 

犬や赤ん坊は嫌な物から目を伏せることにより、それが存在しないことにしようとする、それはピュアな赤ん坊や犬の行動、、、それが考える力を持った大人が行うことにより、思考停止、無関心こそが悪となる、、、

 

昨年のカンヌで<落下の解剖学>とパルムドールを競いグランプリに輝き、ザンドラヒュラーは両方の作品で主演を務め、アカデミー賞では外国語映画賞と音響賞を受賞した、、、待ちに待っていた<関心領域>が公開されたので早速観に行った、、、が、たぶんボクはA24とは相性が悪いのだと思う、A24的なものが好きな人がいるのは分かるのだが、ボクには向かないと改めて確認した、、、

 

オープニングで長い長い黒味、両サイドから薄気味悪い曲が流れ続ける、いつまでたってもスクリーンに光が差さない、じっと耳を凝らしていろと命令されているようだ、随分と長く待たされていると次第に曲の間から雑音が聞こえてくる、とても胸騒ぎがする、この映画は本編通して常に耳を凝らしていないと意味がない作品、A24お得意の薄気味悪い作風のはじまりはじまり、、、アウシュビッツ強制収容所と壁を隔てて収容所の副所長の自宅がある、小洒落た一軒家にはご自慢の広くて花がたくさん植えられた庭があり、犬が駆けっている、、、家族は壁を隔てた向こうで何が行われているか理解しているが、一切口にもせず考えもせずに普通に暮らしているが、観客の耳には絶えず薄気味悪い音が入ってきて、それが何を意味するかを常に想像させられる、、、一家に毛皮のコートや下着まで時々届けられる、子供までもが銀歯の入った入れ歯を持っていたりする、、、突然転勤を命じられた夫に対して妻は「ここを離れたくはない」と「ここは子供の頃から夢見ていた理想的な家なんだ」と断固引っ越すことを拒否する、このブラックジョークが本作のピーク、人間は恐ろしい、、、作中何度かネガポジ反転映像のシークエンスが挿入されている、収容所に忍び込みリンゴを分け与えていた少女、作中唯一の美談を現実ではないような映像処理で扱うのがまたシニカルだ、、、

 

せっかく面白い設定なのだから、大人たちが子供たちには知らせないように繕って生活しているストーリーの方が良かったと思う、ところが子供は壁の向こうをとうとう覗いてしまう、そこまでをサスペンス仕立てにした方をストーリーとしては面白いと期待したが、やはりA24はそれを許さない、、、むしろたんたんと描く日常の光景はアケルマンの<ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地>の模倣にも感じた、、、

 

3.5点 結局はA24、、、

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