たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/果てしなき情熱

【映画評】果てしなき情熱 | じゃんご ~許されざるおっさんの戯言ブログ~

 

服部良一の名曲「雨のブルース」「蘇州夜曲」「湖畔の宿」「夜のプラットホーム」「私のトランペット」「セコハン娘」「ブギウギ娘」が挿入歌として構成される作品で主人公が作曲家であることから、冒頭「服部良一の半生を描いたものではない」との但し書きがインポーズされているが、もしも今、朝ドラ「ブギウギ」を観ていなかったら、この映画への思い入れもまったく違ったものになっただろう、淡谷のり子山口淑子笠置シヅ子服部良一組の面々が出演し歌唱も披露している、、、

 

 

服部良一とその周囲の面々への興味が先に立ったが、市川崑が初めて自分らしい作品にぶつかったと感じ意欲的に取り組んだ初期の傑作であることには違いない、、、それでも公開当初の評判は悪かったそうだ、たしかに物語はかったるい、それでも余りあるほどの市川崑の芸術性を感じる、映画監督と言うより画家のような感性、、、まるでルネクレール作品のパリの街のようなセット、まるで<失われた週末>のファーストとラストのシーンのような窓を基点にした移動撮影、パンフォーカス、逆光、陰影、雨(雨だれ)、観ているだけでワクワクするようなショットを連発する、、、