生まれるずっとずっと昔のことだから詳しくは知らないけど、戦後日本を明るくした歌として「赤いリンゴ >リンゴの唄」「東京ブギウギ」「青い山脈」と並んで「銀座カンカン娘」なんかもきっとそうなんだろうなと思い、さらには唄っているのは笠置シヅ子なんだろうと思って映画<銀座カンカン娘>を観たのだが、劇中、笠置も唄ってはいるがメインはデコちゃんだった、あ、デコちゃんの歌だったんだぁ、、、タイトルはカンカンに怒っている銀座の娘という意味かと思ったら、カンカン帽のようだ、カンカン帽がどんなものかは知らないが、、、
笠置シヅ子は黒澤明の映画<酔いどれ天使>の中で黒澤が作詞した「ジャングルブギ」を唄ったが、あの映画のためだけでなく、この映画でも歌っている、やっぱええなぁ笠置の唄いっぷり、、、
でもでも、デコも笠置もいいけど、この映画の一番の見どころは古今亭志ん生がスクリーンの中にいること、実際の志ん生が見れるのは貴重だ、これだから映画は素晴らしい(焼かれたり紛失したりしない限り)永遠にその存在を留めて観返すことが出来るのだから、、、結婚の宴の場(といっても家で近親者を招いて夕食会)でスピーチ代わりに志ん生が小話を一席、これが丸でクライマックス、ボクにとってはこの映画はこのためだけにあると言っても過言ではない、決して映画としての出来は褒めたものではないし、そしてデコと笠置には悪いけど、志ん生を見るためだけの映画、それがこの映画の唯一の価値だ、、、