好意的な記事は少な目な気がするが、何故だろう、、、いつものウェスだった、むしろ今までのどの作品よりも最もウェス的だった、ウェスの「映える世界」を存分に楽しめるウェスらしい決してコアなウェスファンを裏切らない愛さずにはいられない作品だった、、、(「ウェス」って何回言った?)
ただ一方で、今までのどの作品よりもメッセージを多く含む作品でもあった、このメッセージの多さには戸惑う、昔はそうでもなかったが、最近メッセージをぶち込みたがっている、、、
あらすじ、、、1955年、アメリカ南西部の砂漠の街アステロイド・シティ。隕石が落下して出来た巨大なクレーターが観光名所となっているこの街に、科学賞を受賞した5人の少年少女とその家族が招待される。子どもたちに母親が亡くなったことを言い出せない父親、映画スターのシングルマザーなど、参加者たちがそれぞれの思いを抱える中で授賞式が始まるが、突如として宇宙人が現れ人々は大混乱に陥ってしまう。街は封鎖され、軍が宇宙人到来の事実を隠蔽する中、子どもたちは外部へ情報を伝えようとするが……。(映画.comより)
ピカピカに輝いていた頃の50年代のアメリカ、パステルカラーの夢の国、しかしどこか怪しい、爆音とともに原爆実験のキノコ雲が立ち上っても人々は興味を示さない、それは丸で見たいモノだけを見て、見たくないモノは見ない、見せたいモノだけ見せ、見せたくないモノは見せない(隠す)、それは登場人物それぞれにも当てはまること、、、
この映画でもっとも象徴的なショット、通常映画の中で「窓」は窓の「内と外」を対比させてみせる、それは登場人物の置かれた立場や心理を表すものだが、この映画では互いに(主人公とスカヨハ)窓の内側にいる、「内と内」それが面白い、互いの距離はありながら共有するものがある、届きそうだが届かない距離感、しかも作品の内側のこと、、、そして後半、こんどは主人公はマーゴット(主人公の妻役)と隣りの建物のベランダ同士で向かい合う、内と内に対して窓の「外と外」、しかも作品の外側(現実)、距離がありながら近くに感じ一致する感じがするが決して重なり合うことはない、内と内、外と外、表と表、裏と裏、同じようで一致はしない同士、それがこの映画を支配し続ける、、、
「目覚めたければ、眠れ!」
4点/5点中(ウェスマニアでなくても映え好きな人にお薦め)