たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

埋もれがちな傑作/狩人

狩人:テオ・アンゲロプロス - 続 壺 齋 閑 話

 

難解ゆえに日本では公開されなかったテオアンゲロプロスの埋もれていた傑作<狩人>をやっと観ることが出来た、、、難解といっても『はははぁん、そういうことだね』と気づくと意味というかストーリーは分かって来る、ただし基本引いた画ばかりで寄りがないから登場人物(の顔とか)を把握するのに手間取る、、、共産主義政権から民衆の手に政権が移行し現在(本編での現在)は軍事政権になっているギリシャにおいてそれぞれの保身のために要領よく世の中を渡って来た6人の男とその妻たちが雪原で27年の時を超えて亡霊(遺体)を蘇らせてしまったために触れたくない過去に怯える24時間とその間にそれぞれが振り返る過去の回想、、、そこに観客を放り込む、まったく登場人物の説明はなく、現実(現代)の中にイメージ(過去)を交差させ被らせながら時には芝居のように演じてみせるために観客は戸惑うが(溝口の<雨月物語>をこよなく愛するアンゲロプロスだけに)、、、アンゲロプロスブルーとも呼びたいグレーがかったくすんだブルーの色調の美しさと、1シーン1カットの各シーンに必ず用意される印象的なショット、そして何より再現力と計算し尽くされた構成の素晴らしさ、、、当時公開されず正当な評価を日本で得ないまま放置されたまま今現在も評価を正当に与えられないことはとても残念なことだ、、、誰か(影響力のある人物)語れよ!(俺がここでこうやって語っても大して影響力がないのが情けない、、、が、これを誰かが読んで本編を観て語ることによって連鎖が起きるのだ)

 

多くのショットでレベルがとれていない、均整がとれていない間違った形をあえて提示する狙い、アンゲロプロスほどの人ならそんなガキっぽいことやらなくても良いことだと思うのだが、それを示したかった理由があるのだろうね、、、

 

発見された遺体は誰?なかったことにして忘れよう~今の私たちは普通にしていれば何も問題ないのだから~

 

例によって長尺ですが、ま、凄いですこの映画、、、大傑作、、、(もしくは人によってはZZZ~大爆睡、、、W)