たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/MEMORIAメモリア

ソース画像を表示

 

カンヌ国際映画祭パルムドール受賞<ブンミおじさんの森>のタイのアビチャッポンの昨年のカンヌでも話題になった作品、、、リズムがツァイミンリャンに似ているんだよね、もしくはラヴディアスっぽくもある、といえば分かる人には分ると思うが、FIXの1シーン1カットを多用した作品で、多くの観客に受け入れられるタイプの映画ではなく、途中トイレに立って戻ってきても別段物語が進行していないだろうし、おそらくは同じシーン同じカットであるかもしれない(W)、、、主人公ジェシカがある日地の底から湧き上がるような音を聴き、それ以来不眠症に悩まされる、その音の原因を自分自身で探る音探しのロードムービーともいえる、、、

 

「音」が薄く押し寄せる、全編つねに背後に音が載っかっている、非常に繊細で細やかな音の波だから聴き取れないことがままある、、、こっちは爺なのだ、年々耳が遠くなっている、尚更だ、、、だが、この音がこの映画では重要だから聴き逃せない、、、

 

シーンは概ね30シーン、、、家、病院、カフェ、路上、強い雨、講義、MA室(音響編集室)、病院、広い空間、美術館的な施設、広場俯瞰(犬)、研究室、ヘッドホーン、倉庫、電気街、街中雨、レストラン、音響施設、演奏、小さな中庭を臨むガラスの部屋、車内、トンネル工事、考古学発掘作業現場、夜屋外踊る若者、ベンチ、田舎の病院、川辺男性との出会い、男性とのやりとり、男性とのやり取り屋内、謎の飛行物体、窓辺内、窓辺外、自然風景遠景、エンドクレジット、、、たった30シーンでありながら2時間超え、、、

 

視覚には情報量が多い、しかし視界に入っているもの全てを見ているわけではない、見ているつもりだが「だいたい」をアバウトに感じているだけで、もしも視界に入るもの全てを確実に把握したら、その情報量の膨大さ、その記憶の嵐に、人は疲弊して押し潰されてしまうだろう、、、音もそうだ、全てと思っていることは全てではない、知ったような気になっているだけだ、、、何かの音が聴こえると思っているが、実は音ではなく記憶(メモリア)であることを理解する必要がある、、、

 

「転」で、キーパーソンになる男が登場、スポーツだ、映画だ、テレビだ、ニュースだ、音楽だと世の中は物事が溢れすぎているのだと云う、だから「それらを遮断して生きている」と男は語る、、、そして「結」女は気づく、いや、感じとり、そして知る、、、彼女を悩ました「音」は音が聴こえるような気がするだけで、単なる記憶でしかない、、、それは遠い過去からの波長のように時間を超越して伝わってくるのだ、、、

 

正直<ブンミおじさんの森>はあまり好きではなかったのだが

この作品は今年の公開作ではトップクラスの素晴らしい作品だ、、、

 

4.5

ソース画像を表示

ソース画像を表示

ソース画像を表示