公開当初は「大都会」というタイトルで
岩波ホールで公開されていた記憶があるが
時を経てタイトルを変更するのが
今では一種の流行になっているような気もする
大都会とビッグシティで
どれほど変える意味があったのだろう、、、
インドの封建社会、差別社会は
昔から言われていることだが
嫁を働きに出さないのが一つのステータスのだろうか?
「女は家にいろ」極端な保守志向は今のインドでは、どうなのだろうか?
義父は昔教師だった
裕福ではないが知的な階級の意識があり
教え子たちは社会で立派に貢献している誇りがある
しかし年をとり職を失い
息子の家に厄介になり
まだ若い息子の下に妹もいる
しかし、息子は銀行に勤めている
いくらか貧しくても嫁を働き出すようなマネはできない
そんな意地のようなステータス
しかし
嫁は働きに出る
子供に玩具だって買い与えたい
新しいサンダルだって履きたい
それを望んではいけないのだろうか?
それ以来
義父は口をきいてくれなくなった、、、
嫁はなかなか優秀なセールスレディとなり
社長も信頼も寄せる
友だちから口紅やサングラスをもらう
夫はそれに気づき
疑いをもったり、不満を漏らしたりする
しかし
家は嫁の働きでほんの少し裕福になり
家族は喜ぶが
相変わらず義父は口を利かない、、、
夫も「代わりに僕が夜バイトするから、会社を辞めなさい」と妻に告げる
妻が辞表を出し損ねている間に
夫から電話が入り
「辞表は出すな、銀行が破綻した、職を失った、キミが働かないヤバイ」と、
夫は職を失い
再び貧しい生活になるが
社長がほんの少し嫁に昇給させてくれた
さらに夫の職も見つけてくれる、、、
そんな最中
社長は一人の女性社員をクビにした
嫁は社長に抗議して
しまいには辞表を叩きつける
更にどん底に陥る一家の明日
しかし、嫁は言う
「大丈夫よ、職は探せる、ここは大都会なんだから」
この前向きさも
嫁が社会に出て自信を手にしたからなんだな
大都会なんだから職はある
大都会でも良い職はない
大都会だからイヤなことも色々ある
だけど、大都会だからどうにかなる、、、
なんてことない物語なのに
そこそこ尺が長くても
まったく長さを感じさせず一気に引っぱられた
おそらく当時のインドにおいては
まったく新しい感覚「女性の自立」を描いた
さすがサタジットレイの
これも傑作だ
おまけ
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