昔のこと
まだ長男が小学校の3、4年生だった頃
ある晩一本の電話が入った
長男の小学校の友だちで
親しくしている子の父親からだった
「うちの子が言うには、K君が(うちの長男)うちの子のポケモンカードを盗ったと言うのです」と、怒り口調だ
ボクは言った
「あなた、よく考えてから電話しましたか?」
「子供から事情を聴いて」
ボク「自分の子供のいう事だけ聴いて鵜呑みして怒って電話してきたと」
「・・・」
ボク「あのね、うちでもこういうことがありました、もう数か月くらい前ですが、うちの子があなたの息子さんにカードを盗られたと言うのです、、、その時、私は息子に言いましたよ、『オマエは友だちを泥棒だと疑うのか!』と、、、私はそう叱りましたよ、」
「ぁ、、、」
ボク「どうします?喧嘩しますか?
それとも、これからも仲良くやっていきますか?私はどちらでも構いませんよ」
「あ、ど、どうも、すみませんでした、これからも、どうぞ仲良くしていただけますよう宜しくお願いいたします」
ボク「はい、こちらこそ、よろしくお願いします、それでは、」
この映画の導入部でも
「うちの子がジャングルジムから落ちて怪我したのは、あなたのお子さんに押されたからだ」という苦情から始まる
一方の主人公の子供は「押してない」という
でも「お母さんのために、押したって言った方がいいの?」と
子供は、どう対処すべきか悩む母親を思いやる
いったい真実はどちらにあるのか?
親にしたら、こういうのが一番困る問題だよね
それを気遣う子供の優しさがウルウルする、、、
養子をとった夫婦のもとに
産みの母親だと名乗る女が現れる
はたして目の前にいる女は何者なのか?
そういう話だが、
原作を読んでいないので
原作がそうなのか?
それとも河瀨直美のアレンジなのか?知らないが
単なる養子縁組の問題だけではなく
観客をミスリードしながらも
ミステリー風に話をもって行き
ウソかホントかどちらなのか?の結末を真実を
ラストにみせて映画的な膨らみを生んでいる
これも冒頭にジャングルジムの件があったことで更に厚みができている、、、
ただね
これはアカデミー賞外国語映画賞(国際映画賞?)の日本代表作品だが
いかにも柔んわりしている作風は米国の映画賞では受けない
ヨーロッパはともかく今後も米国では日本映画は難しい
って、べつに米国での受け狙いは必要ないので
好きなように映画を今後も撮って行けばよい
日本映画の良さも分かる人(国)には分かる
途中
特別養子縁組に関する仕組みを
ドキュメンタリー風に語られるのだが
その中での絶対的な約束ごとが幾つかある
*男女を選べない(名前を付けることが出来るので男女両方の名前を考えておくこと)
*真実の告知(子供が理解できる年頃になったら生みの親がいることを告げること)
*共働きNG(周囲の援助があるとしても、どちらか一方が育児に専念すること)
共働きはNGには
かねがね自分の思っている家族像と重なり共感した、、、
そして何よりミヨちゃん(浅田美代子)がいい
巧いというより自然なのだ
犬の保護活動で活躍するミヨちゃんをもってきたことは
(養子となる赤ちゃんと保護犬を同列に語るつもりはないので悪しからず)
ナイスキャスティングだ
そして同じようにミヨちゃんも役柄同様子供を産んだ経験がない
そのことも作中で語られている
だから、演じている感がなく、本物っぽいのだ
すっかり年をとってしまったミヨちゃんだが
これからは、おばあちゃん役のミヨちゃんなんて
すごく需要がありそうで、活躍の予感を感じる、、、
冒頭のジャングルジムの件
結局、相手の子供がウソをついたことを告白した
ちなみに、うちの子の件も、
相手の子が「K君でなく、X君かもしれない」と言い出した、、、なんやねん
この映画の冒頭のエピソードが
ラストとの対比になって効いている、、、
4☺