閑けさや
岩にしみいる
蝉の声
by.松尾芭蕉
セミの声ってうるさいよね
それなのに何で最初に「静けさ」と言ってしまうんだろう
ガキの頃そんなことを考えたもんだ
スポーツしている時にZONEに入るように
集中力が高まって
周囲の騒音、声援、雑音がまったく耳に届かないほどの
自己精神世界に入り込んだようす
これが
この映画<のぼる小寺さん>の中心にドンとあるから
この映画は素晴らしい出来になっている
物語
目標のない退屈な高校生活を送る近藤は卓球部に入部していたが、とくに卓球に打ち込むでもなくダラけた生活を送っていたが、唯一、同じ体育館でボルタリングに打ち込む小寺さんの姿にひきつけられていた、、、ありかは写真を撮るのが好きな女の子で、やはり小寺さんの姿に魅かれシャッター押し続けていた、、、梨乃はあまり学校にも姿をみせないスレた不良のような子だが、たまたま河原で出逢った小寺さんに魅かれるようになる、、、四条はヲタク系だが、中学時代から小寺さんに憧れていたので、高校に入った契機に小寺さんと同じ部活に入るが、スポーツは大の苦手だ、、、
こんな男女5人
いろいろなそれぞれの意味で学校で浮いている連中5人が
小寺さんに魅かれていることで繋がっていく物語
小寺さんは
ちかくに誰かが近づいていっても
まったく気づくそぶりがないほど
ボルタリングをしているときの集中力が凄い
その姿にみんなが魅かれのは説得力がある、、、
あ、それと、
梨乃役の娘が可愛い、というか綺麗な子だ
この子はこれから売れるだろうなぁ
で
監督が色白フェチなんだよね
用のないところでも意識して肌を白く撮る
いや、そもそも肌の白い子を選んでいる節がある
みんな色白だ
監督はかなりの美白フェチと推測する、、、、
とにかくこの映画の一番の魅力は
映画のリズム
テンポじゃないよ
流れるような時をしっかり感じられる落ち着いたリズム
この独特の流れるようなゆったりしたリズムが魅力的で
スクリーンに身を沈めたくなる
音楽の入れ方も大変上手く
その濃い/薄さ加減も絶妙
そういう意味では
去年の<蜜蜂と遠雷>のような
今年公開の新作邦画では上位にくる
かなり優れた作品だ
ただね
ひき逃げ犯がこの映画の主役を務めたことで
ケチが付いてしまったことがとても残念でならない、、、
4☺