たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/初恋

  

三池のことはあまり好きではない

 

<オーディション>は史上最悪に狂った映画だが

作品の好き嫌いではなく

映画に対する心根が好きではないのだ

(人格を否定するものではない)

 

この人の著書を読んで

そもそも映画に対する情熱はあまりなかったようで

映画ファンや映画を軽く思っている節があり

『それでもオレは監督になっちゃったけどね』って調子で

「映画を舐めてる」人だと思った

 

だいたい

ときどきそういう人がいるんだが

「誰からも、何の作品からも影響を受けていない」というヤツ

まるで「何からも学ばず、真似せず、オレは天才だから出来ちゃうのだ」と言うヤツ

映画制作において、過去から学ばずに完成した映画って、いったいあるのだろうか?

こういうヤツらは映画を舐めていると断定する

 

でも、いるね、ときどきいるね、

自分を天才のように言う人そういう人

若松孝二北野武井筒和幸、そして三池崇史、、、

 

愚かだねぇ、、、

 

映画って影響を受け合って100年以上の歴史をきたのに

何からも影響受けずに映画を撮ったヤツなんていません!

そういうことが言えるのは唯一リュミエールのみ!

 

エイゼンシュテインだって、チャップリンだって、オーソンウェルズだって

ブニュエルも、アントニオーニも、パラジャーノフも、ジャックタチだって

天才たちでも、そんな愚かなことは言わない

グリフィスだって、小津、溝口、黒澤だって言いやしないのに

 

でも

言っちゃう人がいるんだよね

聞いているコッチが恥ずかしくなるね、、、

 

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そんな三池監督だけど

この人の場合、はじけ方が非凡なんだよね(認めるところは認めるボクちん)

それはなかなか真似してできるものではない(いいとこはいいと言うボクちん)

一種の開き直りみたいなものを常々この監督には感じる、、、、

 

この<初恋>は今年評判の映画なので観てみたが、

まるで70年代のお決まりの青春映画のノリ

70年代の定番→現状に不満を抱える男→ふと出逢った女を助けて→逃避行→都合よく拳銃を入手→最後は撃たれて倒れる→そこは、スローモーションで。

その70年代のテイストは

後に<トゥルーロマンス>でタラちゃんも再現し

最近では<ベイビードライバー>も作られた

 

さすがにスローモーションはなかったけど

このパターンでこの映画も展開される

三池得意のグロとアクションを織り交ぜて、、、

 

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普通に面白くはあるけど

もっと面白くなったのではないかなぁと思ったりもする

 

その原因の一つが

主役の一人であるヒロインの女優

この人がまったく魅力がないんだよね

 

容姿とか演技ってことではなく

 

たとえば

マリックの<地獄の逃避行>だって

シシースペイセクは美人でもないけど

なにか独特の不思議な魅力があるよね

 

もしくは

ゴダールの<勝手にしやがれ>のジーンセバーグのような

 

今そういうヒロインを望むのが難しいのかな

そういう人って

探すもんではなく、現れるんだろうねぇ、、、

 

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登場人物たちのマンガチックなキャラとか

すごくいいし(ベッキーとか)

 

<片腕必殺剣>なんかのオマージュもあり

大人になった三池は

しっかり過去の映画に対するリスペクトもみせているのが微笑ましかった、、、

 

あと、

ラストの雪の降らせ具合が抜群に良かった

これが絶妙

この映画の中で一番感心したことかもしれない、、、

 

3☺

 

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