ジョンフォードの<アイアンホース>を観ると
まだ若手の監督にこんな大作を任せるハリウッドの度量を思う
と、思って調べてみると
ジョンフォード監督8年目だが
すでに52本の映画を監督している
サイレント時代のハリウッド大量生産時代、、、
フォードの無声映画時代の作品にも
すでにフォード調と言われる
激しさ、力強さの一方で
詩情的な情感の豊かさのある作風がすでに出来上がっている
その後
ドイツからハリウッドに招かれたムルナウに映画を学ぶが
すでに10年目の監督だった、、、
しかし
ムルナウの教えによって更にパワーアップし
映像の詩人と呼ばれるに相応しいものになったのだろう
映画史上もっとも詩情豊かに思える<静かなる男>
<駅馬車><荒野の決闘><怒りの葡萄><捜索者>へとつながる、、、
<アイアンホース>
ユニオンパシフィックとセントラルパシフィック
東西を結ぶ米国大陸横断鉄道の開通までの多難な道のりを
一人の測量士の息子を主人公に
人々の犠牲、策略、欲望、恋、を描いた
スケールの大きさ、再現性の高さに目を見張ると共に
人間ドラマがしっかりと描かれているのは
フォードのもうひとりの師匠とも言える
グリフィスに大きく影響を受けているといえる
字幕も最小限で
力強さとカット割りで観客に伝える
まさにモーションピクチャー!
数々のフォードの名作群に隠れてしまいがちな埋もれがちな傑作だが
映画フリークは観ておくべき必見映画だ、、、