久しぶりに<ションベンライダー>を観てみた
ヤクザな藤竜也に助けられつつ
誘拐されたガキ大将を追うロードムービー
相米監督は生きてるときから
その徹底した演技指導や完璧主義で
伝説的な扱いをされたものだ
第一回のディレカン脚本コンテストの大賞作で、
以前にも書いたが
ボクもそれに脚本を応募していて
ボクの脚本を審査してくれたのが黒沢清(いまでは)大監督だった
審査後に黒沢監督から手紙で助言を頂いたのが大変うれしく
何の縁か、その数年後にお仕事で一緒させていただいたとき
その話をしたら(お世辞だと思うが)ボクの脚本を覚えていてくれたので
さらに嬉しかった思い出がある
横道に逸れたが、
相米監督は彼が尊敬する(成瀬をはじめとする)先人たちのように
たいして面白くない話でも観客をひきづり込むような
語りの巧さはないとボクは思っている
実際、この作品でもストーリーは正直つまらない
プロットが良いのに、何で面白くないのだろう?
なのに、
それでいて、観客の心を掴むのは
先人たちのような巧みな上手さではなく
失敗が許されないのは演劇の方が凄いのだが
演劇に近い緊張感を相米はスクリーンに漂わせる
様々な形態の長回しやワンシーンワンカットで挑む姿を
観客は固唾を呑んで見守る
すると
ハイスピード(スロ-モーション)やコマ飛ばしで意表を突く
こういうことはしなくてもいいと思うけど
緩急なんだろうね
たいして面白くはないけど
最後まで見入ってしまう相米監督の佳作、、、
珍しい寄りの画
主人公三人をいっぺんに見せて
冒険は始まる
奥行き感と光の差し具合がキレイ
延々と上手に移動していく長回し
ここにはないが終着点は
川を越え、線路に出て、トロッコに乗って去る
不思議なカット
あざといとも言う
これも不思議で面白い
けど
狙いすぎ