川島雄三ながら
メディア化、ソフト化されていない傑作<箱根山>
観ている人が少ないからか
川島の傑作と言われず埋もれている
ぜったい観なくてはいけないと
神保町シアターに足を運ぶ
相変わらずのシネフィルじじい率98%
若い人がいないと
日本の映画ファンの今後が不安に感じるが
(そのうち皆、娯楽映画しか観なくなり、良い映画が理解できなくなりそうな不安)
ここにいる十代の若者は
いつもうちの次男くらいなもの、、、
川島得意の
群像重喜劇
たくさんの登場人物の交じり合いで描く
人間批判と人間愛、、、
冒頭の
ディスカッションシーンから一気に
目が離せない
大胆で面白い構図の連続、、、
そして
路線バスによるカーアクションへと
観客を強引に引っ張り箱根へと連れて行く
バス事故に敏感な今の時代なら
不謹慎すぎて
こういうシーンも撮れないだろうなぁ、、、
主演は
加山雄三でも星由里子でもなく
あきらかに東山千栄子だ!
強い年寄り、強い女性、跡取りはいないが肝っ玉母さんのような
東山千栄子、生涯のベストアクトではないのだろうか、、、
それぞれの持ち味で
キャラが立っている東宝オールスターズの面々
ほんの少しオーバー気味に演じさせるいつもの川島流、、、
食べ物のシーンが
兎に角多い
そば、団子、すいか、お粥、マンガのように山盛りのごはん
それぞれのキャラにあった食べ物
やはり食は映画なり!
空撮もいい
そしてラスト
待ち焦がれる恋人の手紙を読みながら
流れるのがおどろおどろしい音楽
まともにはいかない
ハッピーエンドでもバッドエンドでも
普通ではない
これまた川島流
幕末も、赤信号も、しとやかもいいが
箱根山は同列に上位に並べたい傑作だ、、、
GWのこの機会に、是非!