たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/寝ても覚めても

評判の映画<寝ても覚めても>を観た

いかにも通好みの
いかにも蓮實重彦好みの
いかにも蓮實シンパ好みの、、、

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終了後
次男が呟いた

「まるっきり<ティファニーで朝食を>じゃーん」

終盤
雨、猫、曲は(ムーン)リバー
たしかに<ティファニーで朝食を>をイメージする、、、

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麦(東出昌大)と朝子(唐田えりか)は恋に落ちるが、麦は彼女の前から突然居なくなってしまう。それから2年がたち、彼女は麦との思い出が残る大阪を離れて東京で暮らし始める。ある日、麦と外見はそっくりだが性格の違う亮平(東出昌大)と出会う。麦のことを忘れられないがゆえに彼を避けていたが、一方の亮平はそんな彼女に強く惹(ひ)かれる。亮平と接するうちに彼に惹(ひ)かれていく朝子だったが......。 (Yahoo映画より)

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主人公の女の子が
まったくの素人のようなのだよね

だけど一応
芸能界で仕事をしている人らしい

たぶん
わざと素人っぽさで
キャスティングしたんだろうなぁ

もう一人の主役の東出だって
けっして上手い役者ではないけど
この女性と一緒だと「さすがプロだ!」と思えるね

とにかく
主人公の女性を意図的に「浮かせている」としか思えない
セリフはあえて不自然なものをあてているし
フワフワしている感じも狙いなんだろうね
狙っていってこの子になったんだろうなぁ

演技の面では一人だけ浮いてはいるが
主要な登場人物の全員が
どこかエキセントリックなんだよね

もちろん麦は
いきなり翌朝のパンを買いに行ったり
そのまま帰らなくなったと思ったら
コンビニ行く途中の銭湯に寄って
そこで知り合ったジイさんの家で呑んでしまって
そのまま朝まで帰ってこなかったり

ある日女性に
「靴を買いに行く」と言ったきり
5年間も姿を消してしまったり

ダントツにエキセントリックなんだけど
程度は違えど
それは他のキャラにも言えること

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登場人物たちの二面性の一方
「反復」もこの映画のこだわり

最初の大阪の川と
主人公が勤める東京の近所の川とでは
いったい何が違うというのだろう

ラスト
大阪の自宅の裏の川を見ながらの
二人のセリフ

「汚ったない川やなぁ」
「でも、キレイ」

同じ川を見ながらの
真逆の言葉

大阪と東京だってそうだし
いろいろと繰り返しや二面性や対比が描写されるね

「なんで高速道路降りたん?」
反復される女性の問いかけに
同じ東北自動車道を走る
西に戻る亮平と北に向かう麦では
当然答えが異なる

この時の答えにより
女は車を降りる

信頼と不信
猫を探す女性と別れた男
ここでの反復

友人の母親の
「東京まで男を追って朝ゴハンだけ食べに行った」という
エピソードの繰り返しとウラとオモテ

ラスト
雨に濡れた女に
男が投げつけるタオル
これは「信頼」の証し

「オマエのことは一生信用しない」という男の
実の願い「信頼」

なかなか良い作品だった、、、

3.5☺
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