たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画一言二言/海賊と呼ばれた男

 

大好きな原作「海賊とよばれた男」の映画版を観ることにずっと躊躇していた、嫌な予感がしたからだ、それでも取りあえず山崎監督の全作品は観ておこうと思い、映画<海賊と呼ばれた男>を恐る恐る観てみたが、案の定イヤな予感は的中していた、、、読書が苦手な人たちの為の「文字の映像化」「絵本化」「紙芝居化」だ、これは決して「映画化」というべきではない、、、長編の原作を制約のある尺の中でダイジェスト的に原作のエピソードを網羅し駆け足で詰め込む、こんな愚かな映画化はない、、、しかし一方で、映画は原作に忠実であるべきで、端折ってもあらすじが分かれば良いと思っている人たちも多い、読書の苦手な人たち、、、

 

ガキの頃<真夜中のカーボーイ>を映画館で見たあと、その足で本屋に寄って原作小説を手にした、原作では主人公の幼少期からNYに出て映画で語られる様までが綴られている、一方映画では主人公のNYでの姿に重点を置き、原作の半分をそぎ落とし、主人公の過去の部分は冒頭のNYへ向かうバスの中でフラッシュバックという形をとって済ませている、これにより限られた尺の中で監督がもっとも語りたい部分が語られる、原作の意図やテーマやイメージを崩すことなくしっかりと映画化している、、、

 

ビジネス的に言ってもね、原作と映画では違いがあることを匂わせば、映画を観た人は原作を、原作を読んだ人は映画を観るかもしれない、そんな相乗効果も生むかもしれない、、、

 

原作は原作であるべき

映画は映画であるべき

 

原作が世に出た時点で原作者だけのものではなくなる

(これは原作者は絶対に忘れていけないこと)

読者や観客も原作と違うと目くじらを立てるのではなく

原作は原作、映画は映画として楽しめばいい

(残念ながら映画は原作に忠実であるべきと思っている人たちも多い)

 

映画に関して、、、主役の岡田は決して下手な役者ではないはずなのだが、この映画に関しては岡田と監督の抱く主人公のキャラクターのイメージがすこし気張りすぎに感じる、、、そしてやはり映画自体を前編/後編に分けるか、戦後の部分だけに焦点を当てて撮るべきだったと思う、原作で面白かった主人公が金の工面に苦労して七転八倒する様が描き切れていないし、戦時中もタンカーを一隻持っていたがその顛末もスルー、クライマックスともいえる「日章丸事件」に関してはクライマックスでありながらその経緯や詳細には詳しく触れずに、無事にタンカーがイランに行って還ってきたような塩梅、次から次へと主人公に襲い掛かるいろんな局面を乗り越えるのがこの原作の面白さなのに、その下りを深く掘り下げて描けていないから残念な映画になってしまった、だからね、あらすじだけを追うとこういうことになってしまう、という典型、、、

 

戦後の荒廃とした東京の光景は<ゴジラ-1.0>でも恐らく素材として使い廻していたと思われる、、、SDG’S!

 

「士魂商才」

侍の魂で商いをする

主人公のモデルとなった出光氏は本当に素晴らしい人だ、、、

 

P.S.

自害した漫画原作者、芸術にせよビジネスにせよ自分の手を離れたら、もう自分だけのものではいられないのです、いやなら世に出さないで自分の手元に置いておくしかない、、、おそらくナイーブな人だったのでしょう、気の毒だったけど、そういうことを知らなかった、、、もしも原作のお望み通りにしか撮れなくなったら映画はつまらなって原作の紙芝居になれ果ててしまう、、、そしてキューブリックをはじめ巨匠たちの傑作は生まれなかっただろう、、、

 

Yasushi Tomizukaの海賊と呼ばれた男 - Dailymotion

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