ミュージカルだけではなく
映画に対する愛のある映画
映画愛
映画の魔法
ハリウッドの魔法
ハリウッドの夢
野暮は言わずスクリーンに身を沈め浸る
そんな映画
映画は「模倣」の積み重ね
「模倣」によって成り立っている
先人たちの発想とセンスとアイデアと努力によって得た映画的な技術を
更に利用発展進化させて新しい映画が次々と生み出される
この映画のほとんどは
そんな先人たちのアイデアを拝借して
自分なりに現代のセンスで昇華させた作品
ひとり<ザッツエンターテインメント>ともいえるし
方向性の違う「タランティーノ」ともいえる
ただしラストのダンスシーンでは
まんま<巴里のアメリカ人>
「まんま」は感心しない
「まんま」はオマージュではなくなるしパロディとも言えない
ま、野暮はいわず映画の世界に飛び込もう

普通に素敵な思い出に残る作品
映画ってこういうこと
この程度の作品が頻繁に小屋でかかれば映画は素晴らしい
20~30代のOLに特にウケそう
デートムービーにも良いだろう
以下、気づいたこと
やはり主演の二人はミュージカルの出身ではないんだよね
そういう意味での「プロ」を感じない
「練習しました」感が随所に出てしまうね
<バンドワゴン>のダンシングインザダーク♪と
この映画のラブリーナイト♪は比較するに値しない
ダンスの技術は勿論
ミュージカルスターの醸し出す
踊りの間や表情や細かい動きがない
やはり素人感が漂う
逆に
「ミュージカルミュージカルしない」という意味では
ミュージカルを見慣れていない人には見やすいかもしれないし
いずれにせよ雰囲気は抜群に良かったので
それはそれで良いけどね

プラネタリューム♪の浮揚シーンも
<世界中がアイラブユー>の
ゴールディホーン&ウディアレンの川辺のダンスシーンに及びもしない
それはそれで良いけどね
オープニングのアナザーデーオブサン♪や
シティーオブスター♪も
ほぼMTV的なノリ
こういうのも若い人には見易いのだろうね
それはそれで良い
I-MAXで観たのだが
ちょっと粒子が荒かった
Youtubeで撮影現場の状況を見る感じでは
大きなカメラは使っていないようだ
新しい機材のことはよくわからないけど、、、
次回はI-MAXは避けよう
主人公のバンドのリーダーで高校時代の友人は
あまり信用しておらず警戒すらしていたが
どんなことがあって主人公の気持ちがそうなのかの説明はいらないにしても
気がかりで引っ張っておきながら
結局物語に影響を与えるほどのことは何もなし
(せいぜい仕事のスケジュールがミアの舞台の夜に重なったがこれもリーダーのせいとは言い切れない)
心配していた割には、そいつのせいで人生が狂わされるような大きな事件も起こらず
『何もないのかよー』感が残念だった
この映画の一番印象的なオマージュは<カサブランカ>
ミアの部屋の壁紙、そして町にもイングリッドバーグマンの姿が、、、
そして、現在のパートナーと訪れた店に昔の恋人がいる展開、、、
そして、ピアノ、、、
そして、パリ、、、
カサブランカだね

一番良かったのは
もしも、、、「あの日に帰りたい」
あの瞬間に違うアクションンを起こしていたらという妄想劇場
それを一曲でエピローグで描き切る上手さ
ここは観客をハッピーにさせるね
「私の生涯の1番」としてこの映画を選ぶ人がいても当然と思うし
それに値する作品だし理解できるし決して否定しない
でも
ボクのミュージカルの1番は<雨に唄えば>に変わりないし
アステアの作品や
今まで見たミュージカルの上位を脅かすまでには至らなかったが
確かに確かに多くの人に愛され
これからも埋もれることなくずっと愛され続け
いつか名作といわれる日が来る作品であることは間違い
何年後かにはウィスキーを片手に酒の肴に観たい、そんな佳作だった
今の幸福があるのは、
何かを引き換えにしたからかもしれない、、、
全てを手に入れるハッピーエンドなんて、、、
PS
若きスピルバーグが<激突!>を作ったように
デミアンチャゼルは<セッション>を作り
次にスピが<ジョーズ>を作ったように
デミは<ララランド>を作った
分かりやすさという共通点
観客を楽しませ、引き込ませる共通点が二人にある
まだまだデミちゃんのキャリアは始まったばかり
これからたくさん楽しませてくれるだろう