最初は正直このタイトルに足が向かなかったのだが、そもそも宮崎駿監督作は全て観るつもりだし、ジブリ作品はその後配信で観るのが難しく、しかもジブリ作品のI-MAX上映は初めてのことなので、やはり劇場で観ておくことにした、、、
多くの人が感想として触れるのは、セルフオマージュとかメタファーがどうとか、ま、そんなことは置いといて、、、正直ストーリーも面白くない(前半はとても良いが)、宮崎版マルチバース的な世界観の物語、そしてポールグリモーの<王と鳥/やぶにらみの暴君>の世界、というかまんま、それはカリオストロにも連なる、あ、結局オレもセルフオマージュの感想になる、、、
ただね、背景の絵が綺麗なんだよね、モネとかミレーみたいな画風、油絵だったり水彩だったりクレヨンだったり色鉛筆のようでもある背景画が美しい、それに実際ミレーの挿絵そのものも1カット入るし、、、そしてなんといっても、細かい演出、センシティブな部分まで丁寧に描き込んでいるのは正に老練といえる見事な仕事ぶり、、、たとえば女が人力車から降りる一瞬、その動き、足元キャメラ、効果音、、、若い監督だったら気にも止めないだろう細かい点にもきちんと手を入れる、そんな場面が幾つもあった(とくに前半)これはもう経験豊かで人生を刻んできた熟練者の仕事だ、年寄りを侮るなかれ、、、
ところで細かいことだが、、、昔は何でも「渡辺」だったのが近年になって渡邊、渡邉だ、「斉藤」は斎藤だ齊藤だ齋藤だと、弊社に入社したときは「藤沢」だった者が暫くしてから「藤澤」だと言い出す、近年の風潮、最近はそんな傾向にある、、、、宮崎駿も前作までは長年宮崎の「崎」だったのが、今回の表記では宮﨑が「﨑」となっている、これはどうしたことか?
3.5点(面白い映画ではないけど、そんなに悪くないよ、とくに前半はとても良い)
画像は<王と鳥>より