たふえいんといなあふ 不思議な魔法の言葉 

No Movie, No Life、、、映画と食べものと、ときどき天然妻、、、

映画感想/ある男

 

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夫が死んだ、実の兄が弔問に訪れ遺影を見ると、「弟ではない」と主張した、、、いったい死んだ夫は誰なのか?戸籍を替え別人になりすましていた男の身元を探す物語、、、

 

予想外の展開を期待していたのだが、とくに予想外の展開もなく、想定内の中で進行する、ラストも想像していたとおりだったので特に驚くこともなかった、、、もっと戸籍のすり替えのテクニックの披露や仕掛けがあればもっと違った感想になったかもしれないが、監督はそこにはあまり拘らなかったようだ、、、、在日や死刑囚の家族への差別に重点を置き、その想いが強すぎて押しすぎているように感じた、、、

 

それでも優れた監督であることには変わりなく、演出は細かいところまで行き届いている、、、たとえば「どのくらいかかる?」と問われた主人公は金銭的なことと勘違いするが訊ねた方は時間的なことを訊いているのだ、料理の感想を求めた「どうですか?」という質問にも仕事の進行ぶりと勘違いする、妻が「ほんとうに出張だったの?」と訊けばそれは妻が浮気を疑っていると捉える、、、ひとつのことであっても人はそれぞれ思うことが違う、それでも社会は成り立ってしまっている、誰かが誰かとすり替わっていても、それを知らない人たちにとっては大した支障もなく幸福であるかもしれない、、、

 

柄本のオーバー気味の演技も役柄にはフィットしているし、、、安藤サクラは既に過去の名女優達にも引けを取らない演技ぶりで感心するし、とくに泣かせたらサクラの右に出る役者はいないと思う、、、冒頭のひとり店で涙をこぼすシーン、(下の画像の)二人目の子供をなくした経緯を吐露するキャメラが(是枝みたいに)超微速でサクラに寄っていくシーンが印象深い、、、

 

3.5☺

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