濱口の<ドライブマイカー>があまりにも良かったので、見逃していた<ハッピーアワー>を観ることにした、上映時間5時間18分、、、その年のキネ旬ではベストテンの上位だったが、観ている人はとても少ない埋もれがちな一本、、、
30歳代後半の4人の女友だちの最近起こった夫婦のこと、家族のこと、4人それぞれが抱える事情と仲たがいと友情、、、ストーリーの面白さでない、なのに濱口の独特の引っ張られる世界、5時間超えでも飽きることなく見せ切られてしまう世界、韓流にも、もちろんハリウッドにもない世界、あ、ホンサンス、いや、それとも違う、あ、ロメール、似てると言えなくもないが、ちょっと違う、、、独特の作風、静かさの中に力がある、、、
これ、まったく同じ内容で、コロナ渦という設定にしたらどうなるだろう?なんか、そんなことを考えた、、、、そういえば濱口、<ドライブマイカー>のラストでコロナ禍をほんの少し意識させた、、、
別の登場人物で、階段から落ちるというエピソードが2回ある、力関係で立場的に上位にある方が下位の行為に腹を立てた後に落ちる、それを演者と設定を変えて2度やってみせた、、、
子供が自転車を抱えて歩道橋の階段を降りる、隣の母親が「あなたは一生幸せになれないと思う」と言う、言った後から「ごめん、ひどいこと言った」でも、訂正はしない、、、とても良いシーンだ、、、
<ドライブマイカー>でもそうだったが、感情を込めず、平坦に本読みして、いらないセリフを削ぎ落すそうだ、ここで既にそれを実践している、演者のほとんどがワークショップに参加した素人さんなのだ、うまく演じさせようとはしていない、ブレッソンのよう、それでもどこか大きな海外の映画祭(ロカルノ?)で、主人公の4人の女性は主演女優賞を受賞した、、、
真っ黒に潰すくらいの逆光を多用、、、
音楽の入り方が絶妙、、、
濱口竜介監督、これも素晴らしい作品だった、いや、傑作だ、、、