昭和五年、1930年の極東の小さな島国の日本の映画だから、この作品が他国の映画に影響を受けたり与えたかどうかは分からないが、いろいろな映画との共通点が多い、、、<散りゆく花><フランケンシュタイン><道><エルマーガントリー><橋の上の娘><異端の鳥>そして溝口作品、、、
そもそも、間違いなくハッキリしていることは、この映画自体がドイツ映画の傑作<パンドラの箱>のGWパプスト&ルイズブルックスの<淪落の女の日記>から大きく影響を受けていること、、、<淪落の女の日記>は未見だが、<パンドラの箱>同様にルイズブルックスが熱演しているらしい、、、
この映画、フィルムの多くが欠落している、、、とくにファーストシーンとラストシーンを失っているのが惜しいが、それでも、それなのに、それだからこそ、評価されるべき傑作といえる、、、その要因の一つが欠落した部分を補完する字幕が大変巧い文章で、観客がイメージしやいこと、、、
近作<異端の鳥>のようにグロくはないが、同様に、次から次へ、行く先々に悪い奴等がいて、怖い思いをし、運命に翻弄される一人の主人公の女性、、、よく言われる「人生は何を残したか、ではなく、どう生きたか、である」の言葉を改めて噛みしめる思いだ、、、